2017 Fiscal Year Annual Research Report
Method for mutation in organelle genome by CRISPR/CAS9
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15K08453
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
平井 誠 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50326849)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/CAS9は核ゲノムの編集技術として幅広い生物種において適用されている。本技術をオルガネラゲノムの編集技術へ応用することを目的とする。現行のCAS9は、N末とC末に核移行シグナルが付加されており、CAS9が核へ移行して核遺伝子の組換えを行っている。本年度は、CAS9に”オルガネラ移行シグナル”を付加することでCAS9をオルガネラへ移行させることを着想した。具体的にはCAS9の核移行シグナルをアピコプラスト(Api)、およびミトコンドリア(Mit)移行シグナルに置き換えることで、CAS9をそれぞれのオルガネラへ移行させることを試みた。申請者がすでに報告済のネズミマラリア原虫(Plasmodium berghei)のMit移行シグナル(J. Biochem., 2012)、およびApi 移行シグナルで核移行シグナルを置き換えたCAS9プラスミドを構築した。これらのコンストラクトをネズミマラリア原虫に導入し、CAS9抗体により組み換え原虫におけるCAS9タンパクの局在を調べた結果、それぞれのオルガネラへのCAS9タンパク質の明瞭な局在は確認できなかった。抗マラリア薬アトバコンの耐性に関与するのはcytochrome bのY268の変異である。そこで、ゲノム編集によりY268Lの変異導入、atovaquoneによる変異体の選択を行ったが、変異体は単離できなかった。以上の結果はCAS9タンパク質のミトコンドリアへの局在、さらにはゲノム編集のコンポーネントであるgRNAとドナーDNAのミトコンドリアへの局在がこの実験系の成否を決定づけていることが推察された。
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