2015 Fiscal Year Research-status Report
インフルエンザ桿菌感染後ギラン・バレー症候群の臨床像と病態機構の解明
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15K08464
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
古賀 道明 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60383014)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ギラン・バレー症候群 / フィッシャー症候群 / インフルエンザ桿菌 / カンピロバクター / ガングリオシド / リポオリゴ糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫性末梢神経障害であるギラン・バレー症候群(GBS)では、主要な先行感染病原体としてグラム陰性桿菌Campylobacter jejuniが同定されて以来、最も病態が明らかにされた自己免疫疾患と言えるまでになった。ヒト神経組織に豊富に存在するガングリオシドと類似するリポオリゴ糖(LOS)をC. jejuniが菌体表面に豊富に発現することで、本菌の感染に伴いガングリオシドと交差反応する自己抗体(抗ガングリオシド抗体)が血中に産生され、本抗体が末梢神経上に存在するガングリオシドと結合することで末梢神経障害をきたすとする分子相同性説が受け入れられるようになっている。本研究では、GBSの臨床亜型であるフィッシャー症候群(FS)でも同様の病態が存在するのかについて検証することが目的である。 本年度は、FS各症例の先行感染を確定するために、血中抗H. influenzae抗体と抗C. jejuni抗体を測定した。FS 33例中H. influenzae感染の先行が9例(27%:Hi群)で、C. jejuni感染が5例(15%)で確認された。Hi群は、上気道感染症状(100% vs 48%; P=0.01)ののちに複視(100% vs 58%; P=0.03)で発症することが多く、初診時に顔面神経麻痺の見られることが他群と比べ稀である傾向を示した(0% vs 32%; P=0.15)。脳脊髄液や神経伝導検査の所見、ガングリオシド抗体の頻度・パターンは、各群で差はなかった。Hughes重症度を用いての転帰の評価では、各群のほぼ全例で良好な経過をとっていた。以上より、H. influenzae感染FSはC. jejuni感染後FSと臨床像にわずかな差はあるものの、病態は両者で極めて類似することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたH. influenzae菌体上のガングリオシド・エピトープの検索は、予想していた以上にエピトープ量が少量であり、その代償のため菌培養を大量にする必要がでてきたため、研究の進捗に若干の遅れが出た。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により、先行感染の確定したFS症例を収集できた。さらに、それらの症例から分離された細菌株を用いた検討が可能である環境がそろった。今後は、FS症例の検体を用いた解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
購入した薬用保冷庫は、設置場所のスペースの関係で、当初予定していた大型のものから中型のものへ変更せざるをえなかったことから、差額として次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
多くの検体を対象にする実験のため、当初の予定通りプラスチック製品や試薬などの多くの消耗品を要し、その購入に多くの研究費を費やす予定である。
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Research Products
(18 results)