2016 Fiscal Year Research-status Report
ボツリヌス食中毒の消化器傷害におけるボツリヌス毒素複合体無毒タンパク質の関与
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15K08475
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
渡部 俊弘 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (80175695)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞毒性 / ボツリヌス毒素 / 空胞化 / 小腸上皮細胞 / タンパク質複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ボツリヌス毒素複合体構成成分である神経毒素(BoNT)、非毒非血球凝集素(NTNHA)および3種の血球凝集素(HA-33、HA-70およびHA-17)のいずれの成分が細胞空胞化に関与するのかを明らかにする実験を行なった。その結果、すべての構成成分は、単独では空胞化を引き起こさないことが明らかとなった。次に、それぞれの構成成分の部分集合体を調製し、その空胞化活性を調べた。その結果、BoNTを除くNTNHA/HA-70/HA-17/HA-33複合体の内、HA-17/HA-33複合体の数が3つのものは、空胞化を引き起こすが、それ以下の場合は空胞化を起こさないことが明らかとなった。すなわち、空胞化活性には、ボツリヌス毒素の複合体構造が重要であることが明らかとなった。 一方、ボツリヌス菌は産生するBoNTの血清型により、A~G型に分類される。本年度の研究成果では、CおよびD型毒素複合体のいずれも空胞化活性を引き起こすことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き、当初の予定通り、ボツリヌス毒素複合体中の空胞化活性に係る成分の解明が進んでおり、概ね順調に研究が進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
ボツリヌスAおよびB型毒素複合体の空胞化活性を調べる。さらに、NTNHAタンパク質を含まない3種のHAからなる複合体を作成し、空胞化活性にNTNHAタンパク質が必須であるか否かを明らかにする。
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