2018 Fiscal Year Annual Research Report
An outbreak of diarrhea in Mandera, Kenya, due to Escherichia coli serogroup O-nontypable strain
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15K08477
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Research Institution | Yokohama College of Pharmacy |
Principal Investigator |
越智 定幸 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (80268705)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 感染症疫学 / 下痢症 / 大腸菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国を含む先進諸国では積極的な衛生環境の整備によって自国由来の細菌性下痢症の発生予防が進んでいる。一方で下痢症は、世界規模では5歳未満の小児の死亡原因の第2位となっている現実があり、毎年5歳未満の小児では52万5千人が命を落とす重大疾患である。私は、2009年12月にケニアで発生、流行した原因不明の下痢症の原因について検討してきた。発生地区の地理的要因と社会的、そして、政治的背景から患者、及び、発生地区の健常者の採取糞便検体数が制限され、ライフライン、特に電力供給が非常に不安定な現地研究施設で、日本側共同研究者と現地研究者の協力のもと腸管凝集性付着大腸菌(EAEC)耐熱性エンテロトキシン(astA)遺伝子を有する大腸菌、EASTECが高頻度に分離されることを明らかにした。また、患者、及び、健常者から分離されるEASTEC菌株における制限酵素断片長多型解析を行ったところ、健常者由来のEASTEC菌株では多様性が認められるのに対して、下痢症アウトブレイク患者由来のEASTEC菌株間では同一の分離パターンが認められ、下痢症患者から分離されるEASTEC菌株は同一菌株であることが判明した。そこで、患者由来EASTEC菌株中のastA遺伝子の塩基配列をEAEC標準菌株であるO42株のそれと比較した。その結果、それらastA遺伝子配列においては同一配列であることが明らかになった。次に、患者由来EASTECのastA遺伝子をpET発現ベクターにサブクローニングし、組み換えEAST1の発現を試みたが、発現量が極めて少量であった。
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Research Products
(7 results)