2015 Fiscal Year Research-status Report
EHEC毒素が原因のHUSに対するヒト型モノクローナル毒素抗体治療薬の開発
Project/Area Number |
15K08478
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
辻 孝雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60171998)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 腸管出血性大腸菌(EHEC) / HUS / 志賀毒素 / ワクチン / モノクロール抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管出血性大腸菌(EHEC)はHUSの原因となる2種類の毒素(Stx1と2)を産生するが、毒素に対するワクチンは作製されていない。 我々は毒素に対するワクチン及び抗体治療薬作成を試みてきた。その結果Stx2中和抗体を誘導するStx2B誘導体の作成、抗Stx2B誘導体抗体がStx1、2を同時中和すること(Vaccine, 24:3591,2006、26:469,2008、26:2092.2008)、経口治療薬の可能性のあるStx1,2の中和ニワトリIgY作成(PLos One,e26526,2011、MI.59:71.2015)、抗Stx1ヒトモノクローナル抗体(MAb)作成(Vaccin,29:5340,2011)、大量Stx2精製(PLos One,e83557, 2013)に成功した。 そこで今回これらの経験の基、HUS の主な原因毒素Stx2を中和するヒトMAbを作製し、HUS治療薬としての臨床応用を目的とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は、Stx2を中和できるマウスMAbの分離を試み、抗Stx2Aまたは2B MAbからなる7種類の中和MAbの分離に成功。その内、2種類のMAbは非常に効率的に、Stx2を中和。そこで、この2種類のMAbを、抗体工学によりマウス/ヒトキメラ型抗体へ変換した。その結果、両方のマウス/ヒトキメラ抗体は、in vitroで元のマウスMAbと同等の中和能力を発揮した。そこで、現在、マウスを用いたin vivoの実験で、中和能力がどれほど優れているか、実験を進めている。将来HUS治療薬の開発できる可能性が期待され、その結果が十分に社会的貢献できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2種類のマウスStx2中和MAbを、抗体工学によりマウス/ヒトキメラ型抗体へ変換。両方のマウス/ヒトキメラ抗体は、in vitroで元のマウスMAbと同等の中和能力を発揮した。そこで、マウスを用いたin vivoの実験で、投与したMAbのマウス内での半減期、Stx2中和能力、EHEC感染後のMAbの投与時期などの検索し、将来HUS治療薬に応用可能かを検討する。
|
Causes of Carryover |
平成27年度は、研究が比較的順調に進んだ。そのため、当初予定していた消耗品の購入が少なくて済み終えた。物品費の使用額が当初より減少することとなった。従って、次年度使用顎が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、MAbの毒素中和能力を、動物実験で行う予定である。従って、動物実験が多くなり、動物使用料が多くなる。また、マウス血中のMAbの測定回数が増加するため、ラベル抗体の購入の支出の増加を予定している。
|
Research Products
(9 results)