2016 Fiscal Year Research-status Report
プラスミド・ネットワーク解析による臨床由来薬剤耐性プラスミドの動態解明
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15K08488
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
山下 明史 国立感染症研究所, 病原体ゲノム解析研究センター, 主任研究官 (00573180)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プラスミド / ネットワーク解析 / 不和合性タイプ / 薬剤耐性遺伝子 / webアプリ |
Outline of Annual Research Achievements |
既存のプラスミド解析ツー ルGPAT・iPAT はサーバーに対する負荷が大きいために一般公開することができなかった。そのため、負荷が比較的小さいネットワーク解析の部分のみをスピンアウトさせた open iPAT を開発し、必要な解析をweb上で実行できるようにした。開発した open iPAT は解析したいプラスミド配列を入力すると類似のプラスミドを完全長プラスミドデータベースから検索し、ネットワーク解析を行って近縁のプラスミドとの関係をグラフィカルに示すことができる。 Open iPAT が利用する完全長プラスミドデータベースには2015年度に構築した公共データベースから完全長プラスミド配列を自動的に取得する仕組みを改良して、採取時期・国・地域・宿主・文献情報等のメタ情報をテキストマイニングを用いて抽出し類縁プラスミドのメタ情報を容易に参照できるようにしたものを用いた。このプラスミド配列データベースは GenEpid-J データベースにも組み込まれ、国内初のコレスチン耐性遺伝子遺伝子(mcr-1)の検出にも貢献している(PMID: 27855068)。 困難であったごく近縁のプラスミド間の比較を可能にするために、解析対象の全ての遺伝子の有無を利用して系統解析を行う pan genome 解析、対象となるすべてのプラスミドで保存されている共通遺伝子の SNP 解析を行う core genome 解析を行い、結果を図示する機能を実装した。公共データベース上の類縁のプラスミドのメタ情報をユーザーに提示する機能も有しており、解析したいプラスミドの出自をより容易に推測できるようにした。また、実データを用いて解析を行い、解析の妥当性を検証した。 平成29年度には、さらに多くのプラスミドを用いて解析を行い利用状況に応じて必要な改良を行うとともに、成果を論文として公表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度に開発した公共データベースから完全長プラスミド配列を自動的に取得する仕組みに、2016年度は取得した情報から採取時期・国・地域・宿主・文献情報等のメタ情報を抽出し容易に検索できるデータベースを自動的に構築する仕組みを追加した。このデータベースは2016年度に既存の GPAT・iPAT からスピンオフさせた open iPAT の検索データベースとして使用するばかりでなく、GenEpid-J にも実装され、国内初のコレスチン耐性遺伝子遺伝子(mcr-1)の検出にも貢献している(PMID: 27855068)。Open iPAT には、GPAT・iPAT では解析困難であったごく近縁のプラスミド間の比較を可能にするために解析対象の全ての遺伝子の有無を利用して系統解析を行う pan genome 解析や、対象となるすべてのプラスミドで保存されている共通遺伝子の SNP 解析を行う core genome 解析を実装した。 平成29年度には、さらに多くのプラスミドを用いて解析を行い利用状況に応じて必要な改良を行うとともに、成果を論文、学会発表にて公表する。
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Strategy for Future Research Activity |
公共データベースから自動的に完全長プラスミドおよびメタ情報の取得し、その情報をもとにプラスミドの類縁関係を解析する open iPAT の構築ができたので、平成29年度にはさらに多くのプラスミドを解析し、利用状況に応じて open iPAT の改良を行ってゆく。また、成果を論文、学会発表にて公表する。
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Causes of Carryover |
年度末納品等にかかる支払いが平成29年4月1日以降となったため、 当該支出分については次年度の実支出額に計上予定。 平成28年度分についてはほぼ使用済みである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のとおり。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Prevalence of Colistin Resistance Gene mcr-1 and Absence of mcr-2 in Escherichia coli Isolated from Healthy Food-Producing Animals in Japan.2016
Author(s)
Kawanishi M, Abo H, Ozawa M, Uchiyama M, Shirakawa T, Suzuki S, Shima A, Yamashita A, Sekizuka T, Kato K, Kuroda M, Koike R, Kijima M.
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Journal Title
Antimicrob Agents Chemother.
Volume: 61
Pages: e02057-16
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Two different dengue virus strains in the Japanese epidemics of 2014.2016
Author(s)
Nakayama E, Kotaki A, Tajima S, Kawada M, Miura K, Gemma A, Adachi T, Sekizuka T, Kato K, Yamashita A, Moi ML, Ikeda M, Yagasaki K, Shibasaki K, Saijo M, Kuroda M, Takasaki T.
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Journal Title
Virus Genes.
Volume: 52
Pages: 722-6
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Distribution and Relationships of Antimicrobial Resistance Determinants among Extended-Spectrum-Cephalosporin-Resistant or Carbapenem-Resistant Escherichia coli Isolates from Rivers and Sewage Treatment Plants in India.2016
Author(s)
Akiba M, Sekizuka T, Yamashita A, Kuroda M, Fujii Y, Murata M, Lee K, Joshua DI, Balakrishna K, Bairy I, Subramanian K, Krishnan P, Munuswamy N, Sinha RK, Iwata T, Kusumoto M, Guruge KS.
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Journal Title
Antimicrob Agents Chemother.
Volume: 60
Pages: 2972-80
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] DGV: Gengue Genographic Viewer2016
Author(s)
山下明史、関塚剛史、加藤健吾、高崎智彦、黒田誠
Organizer
JOINT INTERNATIONAL TROPICAL MEDICINE MEETING 2016
Place of Presentation
Amari Watergate, Bangkok, Thailand
Year and Date
2016-12-07 – 2016-12-09
Int'l Joint Research
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