2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on a role of receptor destruction in homologous viral interference by Sendai virus using persistently infected cells.
Project/Area Number |
15K08500
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
五藤 秀男 岐阜大学, 応用生物科学部, 研究員 (50323639)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 直人 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20334922)
太田 圭介 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90625071) [Withdrawn]
松本 祐介 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00735912) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 干渉現象 / 受容体破壊 / ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、センダイウイルス(SeV)をモデルとしてウイルスの干渉現象を解明することである。平成27年度は、異なるレポーター遺伝子を持つ2種類の組換えSeVを用いて、同種ウイルスの重感染抑制を実験的に示し、さらに、重感染は細胞への吸着・侵入段階で抑制されることを示唆する結果を得た。そこで、平成28年度は受容体破壊の関与について、詳細な解析を行い、SeVのHNの発現と相関してSeV感染の抑制が確認される事を示して受容体破壊が重感染抑制の主要な要因であることを明らかにした。さらに、レクチンブロット法により、細胞シアル酸量がSeV感染により減少することを直接的に示し、受容体破壊による重感染抑制を支持する結果を得た。これらの結果から、ウイルスの干渉における受容体破壊の関与を科学的に提示することができた。平成29年度は、SeVの様に受容体破壊因子をウイルスゲノムに認めず、かつ、干渉現象が古くから知られている狂犬病ウイルス(RV)について重感染抑制を解析した。GFPとルシフェラーゼをそれぞれレポーター遺伝子として持つ2種類の組換えRVを用いて培養細胞における重感染抑制を調べた。それら2種類の組換えRVを同時に接種した時、ルシフェラーゼの発現は単独の感染とほぼ同じレベルであり、感染の抑制は認められなかった。しかし、GFP発現組換えRVがすでに感染した細胞では、ルシフェラーゼ発現組換えRVを接種してもルシフェラーゼの発現は顕著に抑制された。このとき、先に感染した組換えRVによりGFPの蛍光強度は、ルシフェラーゼ発現組換えRVに接種後も大きな変化は認められなかった。これらの結果は、SeVと同様にRVにおいても干渉現象は細胞への吸着・侵入段階での抑制に起因する事を示している。すなわち、受容体破壊因子を持たないウイルスにおいても受容体の変化が干渉現象に関与することを示唆している。
|
Research Products
(1 results)