2015 Fiscal Year Research-status Report
KSHV免疫回避膜タンパク質MIRによる標的認識機構の分子基盤解明
Project/Area Number |
15K08504
|
Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
梶川 瑞穂 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (00464389)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ユビキチンリガーゼ / 膜タンパク質 / カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス / 免疫回避 / ナノディスク |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)の免疫回避分子であるMIR1の膜貫通領域とその近傍を含むポリペプチドを、膜骨格タンパク質MSP1D1によりリン脂質を束ねたナノディスクへと再構成し、溶液NMRによる1H-15N HSQCを測定した。しかしながら、得られたMIR1由来のシグナルは、DPCミセル中で得られたものと比較して非常に低い強度であった。本研究ではDPCミセル中において不安定なMIRタンパク質の安定性向上を目的としたナノディスクへの再構成を試みているが、一方で分子量が増大したことでシグナル強度が大幅に下がったと考えられた。サイズが小さいナノディスクを用いることで分子量の増大を抑えることができるため、通常よりも短いMSP1タンパク質を設計し、これを用いたナノディスクを作製した。その一方で、KSHV MIR2についても膜貫通領域とその近傍のポリペプチドを大腸菌を用いて大量発現させ、これをMIR1と同様の方法で精製することに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
界面活性剤ミセルではなくナノディスクを用いることによる分子量の増大は予想されていたものであり、今後は高磁場のNMRを用いてのTROSY等による測定に移る予定だが、ナノディスクを小さくすることが可能であれば今後の解析においてより好ましい結果が見込まれる。そこで当初の研究計画にはないナノディスクの小型化を行っており、進行はやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究で新たに作製した小型ナノディスクについて動的光散乱法により分子径を測定し、設計通り直径が小さくなっていることを確認する。次に、小型ナノディスクへMIR1ポリペプチドを再構成し、再びHSQCを測定してMIR1を再構成した小型ナノディスクの有効性の評価を行う。DPCミセルへの再構成に比較してシグナルが良好になれば、この新しいナノディスクにMIR2を再構成してNMRによる立体構造解析を行っていく。
|