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2015 Fiscal Year Research-status Report

風疹ウイルスの経胎盤感染メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 15K08508
Research InstitutionNational Institute of Infectious Diseases

Principal Investigator

森 嘉生  国立感染症研究所, その他部局等, その他 (40379095)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords風疹ウイルス / レセプター
Outline of Annual Research Achievements

風疹ウイルスの胎内感染は、母体で増殖したウイルスが血液を介して胎盤に感染した後、臍帯静脈を通じて胎児へ伝播することで成立すると考えられている。妊娠8週までの早期において約90%と高効率で経胎盤感染が起きるとされることから、胎盤には風疹ウイルスに非常に感受性の高い細胞が存在することが強く示唆される。しかしながら、この胎児への「入り口」となる細胞の正体は未だ明らかになっておらず、細胞レベルでの感染経路については不明のままである。我々は特に栄養膜細胞に注目してきており、これまでに数種のヒト栄養膜細胞腫瘍(絨毛上皮癌)由来の培養細胞は、風疹ウイルスに対して非常に感受性が高いことを明らかにしてきた。このことは、絨毛上皮癌由来培養細胞が風疹ウイルスの胎児への「入り口」となる細胞としての性質を反映しているものと考えられる。本研究課題では絨毛上皮癌由来培養細胞に存在する風疹ウイルスレセプターを同定し、風疹ウイルスの胎盤感染メカニズムを解明することを目的とした。
今年度はまず細胞接着因子をターゲットとしたsiRNAライブラリーを用い、風疹ウイルス感染に重要な宿主因子の同定を試みた。496遺伝子に対するsiRNAのうち、風疹ウイルスの増殖を40%以下に抑制するのは33遺伝子(6.7%)であった。現在、風疹ウイルス遺伝子の侵入に関する遺伝子の同定を目的に風疹ウイルスエンベロープ蛋白質を保有したシュードタイプウイルスによるスクリーニングを試みている。
また、風疹ウイルスに対する感受性が特に高い絨毛上皮癌由来培養細胞を用いてcDNAライブラリーを非感受性細胞へ導入して、風疹ウイルスの結合を指標とした発現クローニングを行った。しかし、現在までに風疹ウイルスの感染が促進されるようになった細胞は得られていない。今後風疹ウイルスの感染を指標としてスクリーニングを行う系の開発を行い、それを用いた宿主遺伝子の同定を試みる予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度の達成目標は「ヒト絨毛上皮癌培養細胞における風疹ウイルスレセプターの同定」であるが、達成できていない。同定を行うための試験系の確立に予定がかかったためである。しかし当初の予定通りの試験系を今年度中に確立できており、これを用いて現在スクリーニングを実施している。

Strategy for Future Research Activity

当初予定していた方法による風疹ウイルスレセプターの同定の他、それを改良し、より風疹ウイルス侵入に特化したレセプター同定法の確立を試みる。
さらに風疹ウイルスが予想外に様々な細胞に侵入できることが明らかとなり、ヒト絨毛上皮癌培養細胞が高感受性であることはレセプターの有無のみでは説明できないことが示唆されたことから、栄養膜細胞の高感受性を規定する因子の同定についても検討を行う。

Causes of Carryover

本年度はウイルスレセプターの同定を行う試験系の開発が主になり、予定をしていたよりもスクリーニング試験の実施が少なくなった。そのため、H28年度に基金を繰り越し、試験を実施する。

Expenditure Plan for Carryover Budget

当初H27年度に計画していたスクリーニングをH28年度に実施するため、繰越金はその目的に使用される。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Sphingomyelin of host cell plays an important role in the rubella virus infection2015

    • Author(s)
      大槻紀之、坂田真史、花田賢太郎、岡本貴世子、安楽正輝、竹田誠、森嘉生
    • Organizer
      第63回日本ウイルス学会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場
    • Year and Date
      2015-11-22 – 2015-11-24
  • [Presentation] Analysis of pseudotyped VSV bearing rubella virus envelope proteins2015

    • Author(s)
      坂田真史、谷秀樹、岡本貴世子、大槻紀之、安楽正輝、永井美智、竹田誠、森嘉生
    • Organizer
      第63回日本ウイルス学会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場
    • Year and Date
      2015-11-22 – 2015-11-24

URL: 

Published: 2017-01-06  

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