2015 Fiscal Year Research-status Report
細胞間シグナルCD47-SIRPα系による免疫制御機構の解明
Project/Area Number |
15K08532
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齊藤 泰之 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40508842)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 免疫学 / 樹状細胞 / ストローマ細胞 / SIRPα / CD47 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞間シグナルCD47-SIRPα系による免疫制御、特に樹状細胞(DC)の機能制御に関して、研究代表者がこれまで国内外で行ってきた研究成果を基盤とし、DCの恒常性の制御、ストローマ細胞の制御につき、CD47-SIRPα系によりDCがもたらす多彩な機能を明らかにしようと試みる。また本研究では、ヒトDCにおけるCD47-SIRPα系の役割について解析を行う目的で、次世代ヒト化マウスを用いたヒトDCの研究基盤を確立する。 研究目的で示した① CD47-SIRPα系によるDC恒常性の制御の分子基盤の解明、②SIRPα陽性DCをオーガナイザーとした二次リンパ組織(SLO)の微小環境の制御、ならびに③次世代ヒト化マウスを用いたヒトDCにおけるCD47-SIRPα系の役割につき検討を行った。①については、DC特異的なSIRPαコンディショナルノックアウト(cKO)マウスを用いて詳細な解析を行い、DC上のSIRPαが自身の恒常性に重要な役割を担っていることを明らかにした。さらにDC特異的、ならびにストローマ細胞特異的CD47cKOマウスを作製し、DCの恒常性におけるCD47の役割について現在解析を進めている。②についてはDC-ストローマ細胞の共培養系を既に樹立、DC上のSIRPαがストローマ細胞の機能制御に重要な役割を担っていることを明らかにしており、さらにDC上のSIRPαがストローマ細胞の機能を制御する因子を同定しつつある。③については次世代ヒト化マウスの導入、神戸大学医学部附属病院ならびに兵庫さい帯血バンクとの研究協力により、ヒト造血幹細胞サンプルの入手・処理を開始するなど、計画に準じた研究基盤の確立を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた、個々の実験や解析が順調に進行し、十分な研究結果が得られたため、上記の様に判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
目的①に関しては、引き続きDC特異的ならびにストローマ細胞特異的CD47cKOマウス用い、DCの恒常性におけるCD47の役割について検討を行う。目的②に関しては、H27年度に見出したDC上のSIRPαがストローマ細胞の機能を制御する因子について、in vitroでの共培養系を中心に検討を行う。目的③に関しては、導入済みの次世代ヒト化マウスにヒト由来造血幹細胞を投与し、分化したヒト由来DCにおけるSIRPαの発現について詳細に解析する。さらに抗ヒトSIRPα抗体をヒト造血幹細胞生着後の次世代ヒト化マウスに投与し、抗体投与によりSIRPαが発現するDC分画を中心にどのような変化が生じるか検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況に沿って物品等の購入を進めたところ差額が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は持ち越し分を物品費(消耗品)に使用することで、本計画をさらに推進させる予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Dendritic cell SIRPα regulates homeostasis of dendritic cells in lymphoid organs2015
Author(s)
Ken Washio, Takenori Kotani, Yasuyuki Saito, Datu Respatika, Yoji Murata, Yoriaki Kaneko, Hideki Okazawa, Hiroshi Ohnishi, Atsushi Fukunaga, Chikako Nishigori, Takashi Matozaki
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Journal Title
Genes Cells
Volume: 20
Pages: 451-463
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Protein tyrosine phosphatase SAP-1 protects against colitis through regulation of CEACAM20 in the intestinal epithelium2015
Author(s)
Y Murata, T Kotani, Y Supriatna, Y Kitamura, S Imada, K Kawahara, M Nishio, EW Daniwijaya, H Sadakata, S Kusakari, M Mori, Y Kanazawa, Y Saito, K Okawa, M Takeda-Morishita, H Okazawa, H Ohnishi, T Azuma, A Suzuki, T Matozaki
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 112
Pages: E4264-4271
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Essential role of SIRPα on dendritic cells in Homeostatic regulation of the secondary lymphoid organ2015
Author(s)
Datu Respatika, Yasuyuki Saito, Ken Washio, Satomi Komori, Takenori Kotani, Yoji Murata, Yoriaki Kaneko, Hideki Okazawa, Hiroshi Ohnishi, Atsushi Fukunaga, Chikako Nishigori, Takashi Matozaki
Organizer
2015University of Washington and Kobe University joint symposium 2015神戸大学・ワシントン大学国際合同シンポジウム
Place of Presentation
Seattle, USA(University of Washington)
Year and Date
2015-09-11 – 2015-09-12
Int'l Joint Research
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