Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目である本年度は, 蘇生中止基準に必要と考えられる蘇生時間に関する小児院外心停止例での検討, 全国ウツタイン様式救急データを用いた蘇生中止基準(Critical Care, 2013;17:R235)の外部検証, および心停止後の調律変換と予後との関係に関して小児院外心停止例を対象に解析した. 小児院外心停止例12,877例(全国集計データ, 2005-2012)を用いた検討では, 救急隊が行った蘇生時間は30日後の神経学的予後良好に対して独立した負の因子であり, 30日後の神経学的予後良好の割合が1%未満となる院外蘇生時間は42分であることが分かった. その成果は, 日本救急医学会総会(東京, 2016.11)で発表し, Circulation誌(2016;134:2046-2059)にeditorialのコメント付きで掲載された. また、蘇生中止基準の検証成果(ガイドライン2010以降も良好な基準であることを証明:心停止後30日後死亡予測の特異度0.91, 陽性的中率99.2%であり, 誤分類率0.73%)は, 成人例については欧州心臓病学会(Eur Heart J (2016) 37(Supplement):83-84, 2016.8, ローマ)で, 小児症例については日本小児救急医学会(2016,7.2, 仙台)でそれぞれ発表した。さらに、小児院外心停止例の調律変換解析では, 調律変換し除細動適応となった症例では, 非調律変換例と比較して神経学的予後良好であり、特に年齢が7歳以上の小児では除細動までの時間が長くなると予後が悪いことが判明した。この成果は、欧州心臓病学会(2016.8, 於ローマ)で発表し, Journal of the American Heart Association (2016;5:e003589)に掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿い, 全国データの解析を行った。その成果は国内外の学会で発表し, 一部論文(英文2編)とすることができたことから, おおむね順調に進展していると判断した.
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