2016 Fiscal Year Research-status Report
反転授業の呼吸器外科学臨床教育への導入と学習効果の検討
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15K08561
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 和弘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (30398367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 元宏 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (00398372)
島田 順一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60315942)
加藤 大志朗 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70315943)
下村 雅律 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90433268)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 呼吸器外科 / e-learning / オンライン学習 / 反転授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
【はじめに】医学部学生を対象にした呼吸器外科e-learningの効果を検討する研究を行なった。 【対象と方法】医学部医学科学生(5, 6年生)のうち、呼吸器外科を臨床実習で回ってきた学生(1班2, 3人)を対象とした。呼吸外科に必要な、呼吸生理、CT読影、胸腔の局所解剖、ドレーン管理などの分野で、合計11問のインターネット上にオンライン試験を作成した。臨床実習の前後で、試験を行い、設問ごとの正解率の変化を検討した。試験問題の中で、独学で理解が困難と思われるA-aDO2について、班単位の少人数を対象に講義を行うとともに、e-learningよる6分程度のビデオ教材を作成し、復習して理解を深められる仕組みを構築した。それぞれの設問に対して、実習前後でどの程度、正解率が変化するのかを検討した。また、e-learning教材のあるA-aDO2の問題と、それ以外の問題について比較検討した。 【結果】実習前テスト(n = 39)の平均正解率は、39.0 ± 12.8%、実習後テスト(n=32)の平均正解率は55.9 ± 19.7%であった。A-aDO2以外の問題では、実習前テストの正解率は37.0%で、実習後テストの正解率は54.0%へ上昇を認めた。E-learning教材のあるA-aDO2を求める計算問題では、実習前テストの正解率は28.2%、実習後テストの正解率は75.0%へ著明な上昇を認めた。 【考察】E-learningビデオの閲覧率は測定できなかったため、A-aDO2のe-learningを閲覧した学生の成績が上がるかという検討はできなかったが、少人数の講義とe-learning復習教材による効果は得られたと考えられる。学生のe-learningに対する興味は個人差が大きいが、呼吸器外科への興味を持ってもらえるように内容を充実させる必要があると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
呼吸器外科の臨床実習を回った学生を対象にe-learningを行ってきた。オンラインの学習教材へのアクセスをすすめ、必ず復習するように指導してきた。e-learning教材を製作し、今年度は電子メールでの教材へのアクセスを促し、昨年以上に積極的に介入し、学習効果を検討して行く。 スマートフォンでのアクセスを予想しているが、スマートフォンを持たない学生が出た時の対応として、ノートPCの貸与を検討している。 概ね、順調に進展しており、今後1年間のデータ集積を進めて行く。
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Strategy for Future Research Activity |
新年度の臨床実習は5月から開始となった。 新年度の臨床実習の開始に合わせて、e-learning教材と小テストを準備した。朝、夕の2回、電子メールで案内を配信する。朝にe-learningへの案内、夕に小テストへの案内を送信し、オンラインでの学習を促す。 e-learning, 小テストはオンラインで管理し、アクセスの履歴、時間、回数を記録する。 小テストについては、満点が取れるまで、繰り返し受けるように指示したが、目標を達成できたかを評価して行く。 今回の試みに対して、アンケートを通して、良い点、悪い点、改善点を洗い出し、学生のニーズにあった形でのe-learningの完成を目指していきたい。 胸部外科、呼吸器外科関連の学会で発表を計画している。
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Causes of Carryover |
発表を予定していた学会へ演題応募を行なったが、受理されなかった。 英語論文の準備中で、投稿まで至っていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年までのデータを集積し、秋の学会へ演題応募を行なった。受理された時の旅費、参加費に使用する。 英語論文のためのデータ集積を行う。英語校正費、投稿、別刷りの費用にする。 学習教材の準備・制作のための書籍、資料購入にあてる。
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Research Products
(4 results)