2016 Fiscal Year Research-status Report
終末期医療の事前ケア計画を促進するACPブックレットの開発:高齢者と共に
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15K08567
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
鶴若 麻理 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (90386665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池口 佳子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (10584162)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アドバンスケアプランニング / 高齢者 / ACPガイドブック |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度の研究では、アドバンスケアプランニングに関するブックレットやガイド類の性差を行った。カナダ、オーストラリア、イギリスのACPガイドを分析した。この3国は州レベルではなく、国レベルでACPに関するガイドを国民向けに作成していた。それぞれのガイドに共通することは、次の4点であった。自分の望みと選好を考える、望む治療と望まない治療を考える、代理意思決定者を考え、指名する、自分の望みや選好について話をし、伝える。これらは自己の内省と対話を促すものであった。 一方、日本のACPガイドについても精査をした。対象とした15件のACPガイドでは、健康に関する意思決定支援、病気や療養に関する意思決定支援、医療者に患者が受診時に伝えたいことを支援するガイドの3つに分かれた。特に日本では、特定の病気や疾患をターゲットにしたガイドが豊富であった。一方、市民や健康な人向けのガイドは少なかった。海外と日本のブックレットを比べてみると、海外では一般市民向けに健康な人を対象にACPを啓蒙する形で、ACPブックレットが作成され活用されているが、日本では、主にがんなどの特定の疾患や、医療の受診時などにターゲットが絞られ、その際に必要とされるガイドが作成されていた。ACPの基本的な考え方としては、年齢や疾患に関係なく、早い段階で自らの健康や今後の医療についてあらかじめ考えていくことであり、何らかの危機的な疾患に罹患した際だけに焦点を絞るのは、ACPの理念を十分反映しているとは言いがたい、これらの課題をふまえて、市民向けガイドの開発に着手する また、昨今、増え続ける独居高齢者へのACPのプロセスについて明らかにするため、訪問看護師への調査を行う準備を整えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおよそ予定したとおりに計画は進んでいる。若干、倫理審査の手続きなどで時間がとられている
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、独居高齢者の看取りをめぐるアドバンスケアプランニングのプロセスについての訪問看護師への聞き取りを行い、その成果をまとめる。病院でのアドバンスケアプランニングについて明らかにするために、看護師や医師への調査を計画し実行する。それらをふまえてACPブックレットの開発に進む
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Causes of Carryover |
予定していた調査計画がすこし遅くなったため、次年度使用額が生じた
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
訪問看護師への調査と病院調査、高齢者へのインタビュー調査にかかる経費に使用する
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Research Products
(3 results)