2015 Fiscal Year Research-status Report
Kir6.2チャネル阻害作用を標的としたアルツハイマー病創薬研究
Project/Area Number |
15K08583
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森口 茂樹 東北大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (70374949)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 新規アダマンタン誘導体 / memantine / Kir6.2チャネル / whole-cell patch-clamp法 / カルシウムイメージング法 / CaM kinase II |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的として、申請者はmemantineのマウスへの急性適応(10-30 microM)ではNMDA受容体阻害作用を強く発現するが、逆に、慢性適応(1mg/kg p.o.)ではKir6.2チャネル阻害作用による神経細胞膜の閾値上昇を介して細胞内カルシウム流入を促進し、CaM kinase IIの活性上昇により認知機能を改善することをAPP23マウス(ADモデルマウス)を用いて明らかにした(Moriguchi et al., Mol. Psychiatry under revision)。本研究課題では、岩渕好治教授ら(東北大学)により作製したmemantineの構造異性体(47種類)の新規アダマンタン誘導体の中から①カルシウムイメージング法による細胞内カルシウム濃度の上昇効果、および②whole-cell patch-clamp法によるKir6.2チャネルを介する細胞内カリウム電流の阻害効果を指標としてmemantineより強力なKir6.2選択的シード化合物の同定を目指すことを目的とした。さらに、APP23マウスの認知機能障害に対する本化合物の改善効果について行動薬理学、電気生理学、生化学的手法により解析し、有益な結果を確認した。平成27年度は、新規アダマンタン誘導体(47種類)の中からKir6.2チャネルの過剰発現Neuro2A細胞を用いて、カルシウムイメージング法による細胞内カルシウム濃度の上昇効果およびwhole-cell patch-clamp法によるKir6.2チャネルを介する細胞内カリウム電流の阻害効果を有するmemantineより優れた薬効を持つシード化合物の同定行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的であるmemantineより優れた新規アダマンタン誘導体(シード化合物)について同定し、特許の出願を行ったため、当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
新規アダマンタン誘導体によるアルツハイマー病創薬は、Kir6.2チャネル阻害作用による認知機能改善効果(アルツハイマー病中核症状)だけでなく、Kir6.1チャネル阻害作用によるうつ病改善効果(アルツハイマー病周辺症状)の両方の改善効果が考えられる。今後、認知機能改善効果に加え、うつ病改善効果についても検討を行う予定である。
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Research Products
(8 results)