2015 Fiscal Year Research-status Report
キュレーションと翻訳後修飾を鍵としたIGTニューロパチーの早期診断法の確立
Project/Area Number |
15K08620
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大林 光念 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (90361899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田崎 雅義 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (50613402)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 耐糖能異常ニューロパチー / キュレーション / 蛋白質の翻訳後修飾 / イメージング質量分析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国に500万人以上の患者を抱える耐糖能異常 (Impaired glucose tolerance: IGT) ニューロパチーだが、その成因や進行パターン、そして point of no return については依然十分解明されておらず、その候補こそ数多く提唱されているものの、際立って有用な指標のない現状では、早期診断、早期治療も容易でない。本研究では、「真に臨床で有用なIGTニューロパチーの早期診断基準の確立」を最終目標とする。本目標を達成するための具体的な手法の軸は、1.IGT患者情報のキュレーションと2.蛋白質の翻訳後修飾に着目し、イメージング質量分析法を駆使した病態解析、および診断指標の探索である。 4年計画の初年度である平成27年度には、1.後ろ向き研究: 過去に蓄積した IGT 患者のデータに関するキュレーション、および 2.前向き研究: 以後4年間継続して行う、キュレーション後のデータ (ベースライン) の蓄積、を行った。具体的には、健常者や対照疾患群(家族性アミロイドポリニューロパチー (FAP))との群間比較、あるいは多変量解析により、膨大な情報のうち早期IGTニューロパチーに関連する項目のみを抽出し、同疾患の早期診断に最も有用な組み合わせを探る作業 (=キュレーション) を行うとともに、平成27年度に受診した新規IGT患者52例について、上記キュレーションの結果に基づき、生理学的、生化学的、あるいは病理組織学的検査を施行した。ここで得られたデータが、今後の本研究期間中IGTニューロパチーの進行度を追跡し、キュレーションにより早期診断に最も有用な組み合わせを同定し得たかを評価するためのベースラインとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画で初年度分の検討事項として掲げた 1.健常者や対照疾患群(家族性アミロイドポリニューロパチー (FAP))との群間比較、あるいは多変量解析により、膨大な情報のうち早期IGTニューロパチーに関連する項目のみを抽出し、同疾患の早期診断に最も有用な組み合わせを探る作業 (=キュレーション) を行うことができたこと、2. 平成27年度に受診した新規IGT患者52例について、上記キュレーションの結果に基づき、生理学的、生化学的、あるいは病理組織学的検査を施行できたこと、から、本研究は概ね順調に進展しているものと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
1.前向き研究の継続(平成28~30年度):新規IGT患者について、前年度同様キュレーションの結果に基づき、必要な生理学的、生化学的、病理組織学的検査を施行する。また、前年度までにベースラインのデータを得た症例については、1年ごとの各データの推移を追跡する。 2.新規生化学的指標を同定するための翻訳後修飾に関する検討(平成28、29年度):従来数多く提唱されてきた、病態との関係が不明瞭な指標とは一線を画す、発症機序に則った病理学的、生化学的診断指標を同定する目的で、下記の研究を遂行する。具体的には、末梢神経組織中のリン酸化α-シヌクレインに関する検討、および血中グリセルアルデヒド由来終末糖化産物(Glycer-AGEs)に関する検討を行う予定である。 3.IGTニューロパチーの早期診断基準確立(平成30年度):キュレーションの結果挙がった指標の組み合わせ+末梢神経組織へのリン酸化α-シヌクレインの沈着度、血中、尿中 Glycer-AGEs値の経年的推移と臨床所見の推移との相関について検証し、定量性を持った (スコア化された) IGTニューロパチーの早期診断基準を確立する。最終的に、本研究の成果は国内外の各学会で発表するとともに、欧文原著として世界に発信する。
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Causes of Carryover |
他は当初の予定通りだったが、マイクロニューログラフィに用いるタングステン電極が当初の予定額 (86,150円)より安い 78,052円で購入できたことから、残る8,098円は次年度の研究過程にも大量に必須であるリン酸水素二ナトリウムの追加購入に充てようと考えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
先述の如く、残る8,098円は次年度の研究過程のうち、特に質量分析法を用いる際に必須であるリン酸水素二ナトリウムの追加購入に充てようと考えている。
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[Journal Article] Rapid detection of wild-type and mutated transthyretins: a prospective study.2015
Author(s)
Tasaki M, Ueda M, Obayashi K, Motokawa H, Kinoshita Y, Suenaga G, Yanagisawa A, Toyoshima R, Misumi Y, Masuda T, Yamashita T, Ando Y.
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Journal Title
Ann Clin Biochem
Volume: E-pub
Pages: E-pub
Peer Reviewed / Open Access
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