2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of diagnostic method for efficacy of sublingual immunotherapy based on systematic genome wide analysis
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15K08626
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
後藤 穣 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80281426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神沼 修 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80342921)
中谷 明弘 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (60301149)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 舌下免疫療法 / 苦味受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー性鼻炎・花粉症に治療においてアレルゲン免疫療法は根治療法として位置づけられている。近年安全性が高く簡便な方法として舌下免疫療法が実用化されたが、普及を妨げている問題点の一つとして治療効果予測が難しいことがあげられている。精度の高い指標が同定できれば導入前に予測が可能になり、治療適応の判断が容易になることが考えられる。 これまでに先行研究としてスギ花粉症舌下免疫療法の治療効果を予測するバイオマーカーの検索を行ってきた。そこで得られた結果(一次集団)を検証するためにスギ花粉舌下免疫療法治療開始前のスギ花粉症患者17名および健常コントロール5名を対象として二次集団での検証を行った。 被験者からインフォームドコンセントに基づいて血液を採取しCD4+T細胞を分離した。このCD4+T細胞と先のバイオマーカー候補である苦味受容体のアゴニスト数種をin vitroで共培養し、活性化T細胞に与える影響を定量RT- PCR法および細胞増殖試験などを用いて検討した。バイオマーカーと関連する苦味受容体のファミリー分子数種の発現を調べたところ、花粉症患者T細胞における苦味受容体の発現は健常コントロールに比較して有意に低かった(p<0.01)。また、この苦味受容体のアゴニストは濃度依存的に花粉症患者CD4+T細胞の増殖を抑制した。以上のことより苦味受容体を介したシグナルは舌下免疫療法の治療効果に及ぼすCD4+T細胞の活性化抑制に影響を与える可能性が示唆された。現在、舌下免疫療法による経時的に苦味受容体発現量の変化と作用メカニズムとの関連性を解析している。
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