2017 Fiscal Year Annual Research Report
Serum vitamin D concentration is a biomarker for early stage of Alzheimer's disease and control amyliod-beta aggregation.
Project/Area Number |
15K08631
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
松永 洋一 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (80239053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末永 みどり 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (00389181)
古田 晶子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50229118)
坪井 義夫 福岡大学, 医学部, 教授 (90291822)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ / 血液検査診断 / ビタミンD / 早期アルツハイマー病 / アルツハイマー病進行段階 / ビタミンD前駆体 / ビタミンD活性体 |
Outline of Annual Research Achievements |
AD患者(アルツハイマ病)進段階(各30~40人)につき、血漿ビタミンD(VD)値と重症度、男女差、年齢差などにつき解析した。25(OH)VD値は、AD早期段階(いわゆるMCI段階)より同年齢健常者より優位に低下しているが、1,25(OH)2VDでは有意差が認められなかった。男女差では、いずれも病期進行依存的に25(OH)VD値の低下が認められるが、この傾向は女性で特に顕著であった。一方、1,25(OH)2VD値は、男女を問わず、健常者と比較してあらゆる病期のAD患者で差が認められなかった。また、25(OH)VD値と1,25(OH)2VD値の相関関係の解析では、健常者では男女とも、全く相関が認められないが、AD患者では、男女とも、正の相関が認められ、特に女性で高い相関が認められた。また男女とも、病期進行のともに相関が強くなる傾向が認められた。これらの解析結果より、AD早期段階の発見には、血漿25(OH)VD値の低下が有用な血液マーカーになると考えられた。一般的にサプリメントとしてのビタミンは活性型である1,25(OH)2VDであるが、今回の研究結果では、健常者と比較して、血漿25(OH)VDには差があるが、1,25(OH)VD2値には両者に差がないことより、サプリメントとしての1,25(OH)VD2服用については疑問の余地があり、今後さらに大規模な臨床研究が必要である。あるいは、活性型1,25(OH)VDと前駆体である25(OH)VDとでは単に生理作用の強弱の差だけでなく、前駆体特有の生理学的作用がある可能性もあり、この点についても今後研究の必要がある。今年度計画していた標識VD化合物の作成は完成したが、マウスを用て抹梢から脳内へのVD投与後の経路追跡については、再現性のある研究結果が出ていない状況であり、今後も継続する予定である。
|
Research Products
(1 results)