2017 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical features and molecular pathology of anti-Lrp4 antibody-positive motor neuron disorders
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15K08636
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Research Institution | Nagasaki Kawatana Medical Center |
Principal Investigator |
樋口 理 独立行政法人国立病院機構長崎川棚医療センター(臨床研究部), その他の研究科, 研究員(移行) (50361720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬筒 秀樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, ユニット長 (70342805)
中根 俊成 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 寄附講座教員 (70398022)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | agrin / LRP4 / MG / ALS / エピトープ / 抗体 / 抗原 |
Outline of Annual Research Achievements |
LRP4抗体陽性MGとALS患者由来の血清群それぞれについて、agrinシグナル阻害活性を比較した。その結果、MG由来血清はagrin誘導性のAChR凝集活性をほぼキャンセルできたのに対し、ALS由来血清には同様の活性は全く認めなかった。この結果は、ALS患者体内で産生されるLRP4抗体のエピトープ特性がMG由来のLRP4抗体のそれと異なっていることを強く示唆した。この結果を受け、当初計画していたモデル動物の解析研究は中止し、ALSとMGで異なるLRP4抗体のエピトープ分布について、さらに詳細を分析する研究を進めた。既製品であり、抗体認識領域が自明のLRP4抗体群を数種類使用し、上記と同様の解析を進めた結果、agrinとLRP4が直接相互作用するとされる領域から結合部位が離れていると推測される抗体はいずれもALS血清と同様の結果を示した。すなわち、MGで産生されるLRP4抗体は、我々が2011年に報告したように、agrin-LRP4間のインターフェース、もしくは、その近傍にエピトープを有するものと推測された。 この結果を受け、我々は、LRP4抗体がMGのみならず、ALSを含む多様な神経疾患に出現するという仮説を検証するべく、国内の複数の医療機関の協力を受け、神経免疫疾患のみならず、神経変性疾患由来の患者血清を集積した。そして、すべての血清に対して、LIPS法によるLRP4抗体検査を実施した。予想通り、対象とした神経疾患のほぼすべてでLRP4抗体の出現が確認されたが、agrin誘導性のAChR凝集活性阻害作用を示したのはMG由来の血清のみであった。以上の結果は、agrin-LRP4シグナルを阻害するLRP4抗体がMG患者体内で産生される特別なメカニズムが存在することを示唆する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Double-seropositive myasthenia gravis with acetylcholine receptor and low-density lipoprotein receptor-related protein 4 antibodies associated with invasive thymoma2017
Author(s)
Hidehiro Ishikawa a,*, Akira Taniguchi a, Yuichiro Ii a, Osamu Higuchi b, Hidenori Matsuo c, Shunya Nakane d, Masaru Asahi a, Atsushi Niwa a, Hidekazu Tomimoto a
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Journal Title
Neuromuscular Disorders
Volume: 27
Pages: 914, 917
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] repetitive CMAPを認め,神経筋接合部の微細構造を解析し得た抗LRP4抗体陽性重症筋無力症の一例2017
Author(s)
光武明彦, 平賢一郎, 荒川晶, 佐藤達哉, 勝又淳子, 関大成, 前川理沙, 日出山拓人, 石浦浩之, 内尾直裕, 清水潤, 樋口理, 松尾秀徳, 椎尾康
Organizer
日本神経免疫学会
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