2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K08659
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
笹子 三津留 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40143490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 一文 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (10260936)
菊池 正二郎 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (70381960)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 老化細胞 / がん間質 / SASP / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
胃がん間質反応による晩期再発の早期診断法を開発して新しい治療戦略を確立する。本研究では、胃がん臨床検体を使ったがん間質反応の解析により、胃がん再発に直結する微小転移の高感度診断法と増殖活性評価法の開発・がん休眠機序の解明を通して胃がん治療戦略を確立することを目的とする。以下に研究実績概要を示す。 1.進行胃がん組織由来の初代培養がん間質細胞の分離と凍結保存ライブラリーの拡充:同一患者のがん間質細胞・非がん胃組織間質細胞・正常小腸間質細胞のライブラリーを拡充して-150℃で保存した。 2.老化間質細胞由来の分泌タンパクの精製:ライブラリー化した間質細胞を特定の環境で老化させて無血清培養上清を継時的かつ大量に採取した。アニオンおよびカチオンカラムを用いてタンパク精製を行った。 3.老化間質細胞由来のエクソソーム精製:がん細胞に様々な作用を及ぼすことが知られているエクソソームを2の老化細胞から回収・精製した。 4.まとめ:2,3で精製したSenescence associated secretory phenotype(SASP)を使い、胃がん細胞に対する作用を細胞周期・増殖能・運動能指標にして定量解析した。その結果、カラム精製した特定のタンパク質分画が、低酸素特異的にがん細胞の悪性度を増すことが明らかになった。対して、SASP由来の精製エクソソームは細胞周期にはほとんど影響を与えないことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
老化間質細胞はがん細胞の細胞周期・増殖能・運動能を修飾する。この現象において、低酸素特異的に作用するSASPがあること、原因分子がタンパク質であり濃度依存性があること、エクソソームが細胞周期に直接影響を与えるものではないこと、などをフローサイトメトリーとfucci遺伝子導入胃がん細胞株を使って明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は、がん細胞と間質細胞の相互作用において直接的な細胞間接着が重要と予測していたため、ナノスプレイチップによるSingle Cell Analysisを予定していた。しかし、カラム精製などにより特定のタンパク質分画の重要性が明らかになった。したがって、Single Cell Analysisよりも解析が容易な特定のタンパク質分画のプロテオーム解析を優先的に行うこととした。
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Causes of Carryover |
がん細胞と間質細胞の相互作用において直接的な細胞間接着が重要と予測していたため、ナノスプレイチップによるSingle Cell Analysisを予定していた。しかし、カラム精製などにより特定のタンパク質分画の重要性が明らかになったため、Single cell Analysisに使用する予定であった器材・試薬の購入を中止した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
老化間質細胞はがん細胞の細胞周期・増殖能・運動能を修飾する。この現象において、低酸素特異的に作用するSASPがあること、原因分子がタンパク質であり、濃度依存性があること、エクソソームが細胞周期に直接影響を与えるものではないこと、などを明らかにすることができた。平成28年度は、タンパク質の大量精製とプロテオーム解析に用いる器材と試薬購入、原因分子の同定とその制御法の開発を予定している。
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