2017 Fiscal Year Annual Research Report
Modulation of nociception by social bonds in monogamous rodents.
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15K08672
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
由利 和也 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (10220534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大迫 洋治 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 准教授 (40335922)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 痛み |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度において、パートナーと強い絆を形成したプレーリーハタネズミを、パートナーと別離させると(パートナーロス群)、炎症性疼痛時の視床下部オキシトシンニューロンのFos発現が低下し、脳内オキシトシンニューロンの痛み刺激に対する反応性の低下が示唆された。そこで、パートナーロスに伴う痛み行動の増悪に脳内オキシトシンが関与しているのか検証する目的で、パートナーロス期間中に、体内埋め込み型マイクロインフュージョンポンプシステム(iPRECIO SMP-300、プライムテック)を使用して、人口脳脊髄液(200nl)、人口脳脊髄液+オキシトシン(1ng/μl)、人口脳脊髄液+オキシトシン(1ng/μl)+オキシトシン受容体アンタゴニスト(10μg/μl)のいずれかを流速0.5μl/hrで側脳室へ投与し、各グループの炎症性疼痛時の痛み行動を解析した。その結果、人口脳脊髄液のみを投与したパートナーロス群に比べて、人口脳脊髄液+オキシトシン投与群では痛み行動が少なく、その痛み行動の減少はオキシトシン受容体アンタゴニスト投与群ではみられなかった。さらに、人口脳脊髄液+オキシトシン投与群とパートナー維持群の痛み行動を比較しても有意差は検出されなかった。パートナーロスに伴う痛み行動の増悪が、脳内へのオキシトシン投与によりパートナー維持群と同等レベルまで緩和されたことから、痛みの心理社会的修飾メカニズムに脳内オキシトシンが関与することが示唆された。
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Research Products
(4 results)