2015 Fiscal Year Research-status Report
アトピー性皮膚炎のかゆみにおける消化管ホルモンの役割の解明と治療への応用
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15K08680
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
冨永 光俊 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50468592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 弥生 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00410035)
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 教授 (40053144)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | かゆみ過敏 / 脊髄後角 / アロネーシス / アトピー性皮膚炎 / コレシストキニン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、マウスの髄腔内にcholecystokinin 8S (CCK8S)を投与することで、かゆみ行動が惹起さるか否かについて検討した。生理食塩水投与群(コントロール群)と比較して、CCK8Sを髄腔内投与した C57BL/6Jマウスでは掻破行動の回数が増加する傾向を示した。かゆみ行動を撮影した場所を調査すると、換気口から微風が発生しており、マウスにとってこの微風が機械刺激になった可能性が考えられた。そこで、換気口から微風が発生しない環境でかゆみ行動を観察したところ、生理食塩水投与群(コントロール群)とCCK8S髄腔内投与群の間で掻破行動回数に有意な違いは認められなかった。次に、小型扇風機から微風をCCK8S髄腔内投与群に与えると、時間経過 (30分、60分、90分後) とともに掻破行動回数が有意に増加することが明らかとなった。次に、アロネーシスの発症に脊髄内のCCK8Sが関与することが考えられたために、CCK8S髄腔内投与群にvon Freyを用いたアロネーシスアッセイを行った。生理食塩水投与群(コントロール群)と比較して、CCK8S髄腔内投与30分、60分、90分後のアロネーシススコアが有意に増加することを見出した。以上の結果から、脊髄内CCK8Sはアロネーシスの発症に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は脊髄内にCCK8Sを投与することでアロネーシスが発症することを見出した。薬理学的な検討が不十分ではあるが、追加採択課題としておおむね順調に研究が進展したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、脊髄内のCCK受容体を明らかにするために、CCK8S誘発性アロネーシスに対するSR 27897 (CCK-1R antagonist)及びL-365260 (CCK-2R antagonist)の影響について検討中である。 今後は、後根神経節(DRG)及び脊髄におけるCCK8S及びCCK受容体の発現分布について解析する。また、電気生理学的手法により、CCK8Sに応答する脊髄後角ニューロンの特性化を行う。さらに、CCK-saporin投与マウスを作製し、かゆみ行動に対するCCK8Sの影響について検討する。
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Research Products
(17 results)