2018 Fiscal Year Annual Research Report
Automatic recognition of minute lung cancer using synchrotron radiation pulmonary angiography
Project/Area Number |
15K08689
|
Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
松下 昌之助 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (70359579)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 祐司 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30302417)
徳永 千穂 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30451701)
坂本 裕昭 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30611115)
兵藤 一行 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (60201729)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 放射光 / 肺癌 / 血管造影 / HARP撮像管 / 造影剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺癌の早期発見は予後の改善と医療経済上望まれる。放射光微小血管造影法は500μmの肺の腫瘤の確認が可能である。今回、この判定の自動化が可能であるか、その条件とソフトウェアについて検討した。 腫瘍関連腫瘤である条件は下記である。 (1)肺動脈造影と同時に出現する腫瘤様陰影は、肺動脈分枝の画像方向への垂直像であり、時間分解能で分別可能である。(2)腫瘍関連腫瘤は肺動脈造影時期と同時に出現するか、或いは、多くの場合、遅れて出現する。遅れて出現する場合は、従来の時間分解能を用いて分別可能である。(3)同時に出現する場合、肺動脈分枝の画像方向への垂直像との鑑別が必要になる。この場合次の条件が有用である。(ア)近接する肺静脈より径が大きい場合は、腫瘍関連腫瘤である。(イ)腫瘍関連腫瘤は固有の重量を持ち、撮像中はその重量のため肺静脈と独立して移動する。(ウ)腫瘍関連腫瘤の濃度形態は、中央部から辺縁まで一定の濃度を保っているが、肺静脈屈曲部では中央部が濃く、その後一定の濃度勾配をもって薄くなる。まとめると、多くの場合、腫瘤状陰影の発現遅延、消失遅延、独立移動、濃度勾配が要点になるが、特に消失遅延が必須の条件である。そのため、2回目の造影をした場合、微弱であっても残存腫瘤陰影は腫瘍関連陰影である可能性が高まる。 日立中央研究所に依頼した独自の肺動脈分枝固定ソフトウェアは、腫瘤陰影を固定させることができなかった。一方、濃度変位計測ソフトウェア「Gray-val」(ライブラリー社)は、腫瘤陰影内の濃度分布を定量的に示し、腫瘍関連腫瘤と血管屈曲部の判別に有用であった。また、腫瘤の平均造影剤濃度の経時変化の評価には、画像解析ソフトウェア「ImageJ」が有用であった。しかし、今回の測定はすべてmanual操作で行わざるをえず、今後AIを応用した画像診断など導入が期待される。
|