2015 Fiscal Year Research-status Report
元素成分推定を可能にするMulti-Energy CT再構成アルゴリズム法の開発
| Project/Area Number |
15K08691
|
|---|
| Research Institution | The University of Tokyo |
|---|
Principal Investigator |
芳賀 昭弘 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30448021)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古徳 純一 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (70450195)
中川 恵一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80188896)
今江 禄一 東京大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (80420222)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 光電効果 / Hatree-Fock / Dual energy CT / 逐次近似再構成 / 事後分布最大化 / ビームハードニング |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、光電効果、コンプトン散乱及び電子対生成のデータベースから、物質に対する電子密度と電荷の関数モデルを構築し、元素分布の推定を可能にするMulti-Energy CT 再構成アルゴリズム法を新規に開発することである。当該年度では、物質中の電子状態に対する高精度なHatree-Fock計算を適用した反応断面積計算を実施し、これまで良く使用されているNational Institute of Standards and Technology (NIST)のXCOM: Photon Cross Sections Databaseとの比較を行った。また、光電効果、コンプトン散乱及び電子対生成のデータに対する関数モデルを利用し、高エネルギー放射線治療装置によって再構成されたCT画像及び、同装置に併設された診断用低エネルギーX線により再構成されたCT画像とを組み合わせることで、有効原子番号と電子密度を高精度に推定するアルゴリズムを開発した。再構成アルゴリズムには、最尤推定に基づくMLEM 法を使用した。本アルゴリズムを利用することで、X線散乱やビームハードニングの効果を容易に組み込むことが可能となった。また、事前情報を取り入れた事後分布最大化法（MAP法）による再構成アルゴリズムを開発し、時間順序4次元CT再構成法へ応用した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に予定していた光電効果・コンプトン散乱・電子対生成の断面積データベース構築は順調に進められた。また、上記の光電効果・コンプトン散乱・電子対生成断面積データに対する試験的な関数モデルを利用した元素成分を推定する逐次近似再構成アルゴリズムの開発も行った。さらに、次年度以降に開発を検討していた、ビームハードヒング効果を取り入れた単色X線に対する元素推定アルゴリズムを構築した。このアルゴリズムにおける元素成分や電子密度に対する事前情報の重要性についても検討がすでに進められており、申請書を作成した時点で予定していた研究内容を超える成果が得られ始めている状況にある。
|
| Strategy for Future Research Activity |
Hartree-Fock 計算を用いたZ=1~92 までの各元素に対する光電効果・コンプトン散乱・電子対
生成の断面積データベースを公開するとともに、論文にまとめる予定である。また、本Hartree-Fock 計算の光電効果・コンプトン散乱・電子対生成断面積データに対し、回帰フィッティングを行い、0.1keV~10MeV の範囲に対する光電効果・コンプトン散乱・電子対生成断面積に対する最良の関数モデルを構築する。当該年度で構築したベイズ理論に基づく事後分布最大化（MAP） 法において、人体組織に対する元素成分のICRP モデル（Report 23, 1975）を事前分布として導入し、その評価を行う。MAP法の導入により、照射野外（Field of view; FOV）領域のCT再構成法など、本研究の副産物として得られた既存の技術の枠組みでは得ることができなかった結果についても学会等で報告を行っていく。
|
| Causes of Carryover |
現在投稿中の論文の掲載に時間を要したため。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在投稿中の論文の掲載費用。
|
Research Products
(25 results)
-
[Journal Article] 肺定位放射線治療における積算線量分布の事後評価法の検討2016
Author(s)
今江 禄一, 芳賀 昭弘, 早乙女 直也, 木田 智士, 中野 正寛, 竹中 重治, 竹内 幸浩, 白木 尚, 矢野 敬一, 山下 英臣, 中川 恵一, 大友 邦
-
Journal Title
日本放射線技術學會雜誌
Volume: 72
Pages: 251-260
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
