2015 Fiscal Year Research-status Report
三次元ならびに二次元X線画像を利用した身元確認システムの開発
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15K08696
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杜下 淳次 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40271473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 典昭 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60176097)
佐々木 雅之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40240907)
臼元 洋介 横浜市立大学, 医学部, 助教 (50596822)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 個人識別 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,研究分担者が所属する九州大学大学院医学研究院法医学分野で撮影したご遺体のX線CT画像125例と,これらの司法解剖事例の中で警察から提供された生前のX線CT画像28例を収集し,本研究で用いる画像のデータベースを構築した.これらの画像は全て九州大学の倫理審査委員会によって本研究に用いることの承認を得た.また,胸部の模擬人体ファントムを3体用いて,身元確認システムの基本となる,X線CT画像を用いた三次元ならびに二次元X線画像マッチングのアルゴリズムを開発した.ファントムを用いた初期評価によって,胸部X線CT画像から抽出された骨の情報を三次元ならびに二次元の画像マッチングに用いることで体格の異なるファントムを区別することができることを明らかにした.これは,開発したマッチング手法が体格の差を反映し得ることを示しており,今後の臨床画像を用いたマッチングの研究における基礎的な結果となる.また,X線CT画像上の軟部組織の情報を用いることが身元確認の精度を下げる可能性が高いことも確認しており,死後の変化が生じやすい軟部組織の情報を本システムのアルゴリズムに加えない1つの理由となった.これらの成果は,臨床画像を用いた評価とさらなる検討が必要である.本研究の成果について“2015 Annual spring scientific congress of Korean Society of Radiological Science”と“American Association of Physicists in Medicine,the 57th Annual Meeting”で発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究に用いる画像データベースが構築できた。個人識別のためのアルゴリズムの開発に時間を要しているが、申請時も計画通り、ほぼ順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度・29年度は,平成27年度に構築した画像データベースを用いて,開発した胸部X線CT画像のマッチングアルゴリズムの評価および改良を行う.とくに,三次元の画像のマッチングは多くの計算時間を要するため,アルゴリズムの最適化・高速化を行う必要がある.これと並行して,対象とする部位を胸部だけではなく頭部のX線CT画像に広げ,マッチングの手法を開発する.前頭洞と歯は法医学領域における個人の識別に多く用いられる部位であるため,前頭洞や歯のX線画像情報を取り出す手法を開発し,その情報を用いた身元確認のシステムの構築も目指す.また,胸部と頭部のマッチングを組み合わせた,新たな指標の開発に取り組み,より正確に個人を特定できる手法とし,大規模災害等に適応できることを目指す.なお,研究成果は国内外における関連学会で発表し,原著論文として国内外に向けて報告を行う.
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Causes of Carryover |
研究分担者(池田典昭)に20万円配分したが、配分額では購入できない備品であったため執行できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に前年度分と合わせて使用予定である。
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Research Products
(2 results)