2016 Fiscal Year Research-status Report
癌の個別化医療に資するマルチモーダルセラノスティクストレーサーの臨床応用法の開発
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15K08698
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
久保 均 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00325292)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分子イメージング / ナノパーティクル / SPECT |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,有機シリカ粒子に抗体を標識した上で生体内分布をSPECTで観察するためのSPECT核種標識に関する詳細な条件検討を行った.
SPECT核種標識実験は,有機シリカ粒子表面のチオール基を利用してTc-99mあるいはGa-67を標識し,その標識率などを様々な有機シリカのサイズおよび濃度との組み合わせで評価した.その結果,我々が試みた濃度及びサイズなどの条件において標識率における濃度依存性などは観察されず,イメージングに十分な放射能を得るために必要な粒子濃度およびRI量を問題なく標識できることがわかった.これは,同時に行う抗体標識に使用可能なチオール基が多く残存していることを示していると考えられ,十分な抗体及びRIの標識が同時に行うことができる性質を有していることが示唆されるものであった.
また,RI標識した有機シリカ粒子をマウスに投与してその動態を見たが,膀胱などへの集積もほとんど見られず,RIの結合が外れてフリーとなる現象もほとんど生じていないことが示唆され,生体内でのRI標識が非常に安定であることも示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までで,MRIでの有機シリカ粒子の信号特性評価,SPECTのためのTc-99mおよびGa-67標識方法の確立およびその画像化を行うことができた.また,Tc-99mおよびGa-67標識を行った有機シリカ粒子は蛍光色素であるローダミンを含有しているため,蛍光とSPECTのマルチモーダルイメージングを行うための準備ができたと考えている.RIの標識条件については,抗体標識を考えた上でもほぼ最適条件を求めることができたと考えられた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの結果を基に,抗体イメージングが可能なSPECT製剤とするためのTc-99mあるいはGa-67標識技術を向上させ最適化を行うと共に,抗体とRIの複合標識を行うための標識技術の確立を行う.また,その結果標識された有機シリカ粒子のマウスにおける体内およびターゲットへの動態を評価し,抗体イメージングとして有効か否かの検討を行う.
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