2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of multimodal theranostics tracer for personalized medicine in immuno-oncology
Project/Area Number |
15K08698
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
久保 均 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00325292)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分子イメージング / ナノパーティクル / SPECT / 免疫イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,蛍光色素入りの有機シリカ粒子にHER2抗体を標識した上にGa-67をラベルし,A431細胞およびMDA-MB231細胞を移植したマウスに投与してその動態を観察できるかについて評価した.
有機シリカ粒子は100nmのものを使用し,NOTA-SCAで修飾した後にHER2抗体を標識した.その後にGa-67をラベルし,蛍光およびSPECTで観察可能な有機シリカ粒子を作成した.これをA431細胞およびMDA-MB231細胞を移植したマウスに投与し,SPECT撮影およびIVISを用いた蛍光撮影を行った後に,血液,血清,筋肉,肺,脾,膵,白色脂肪,胃,小腸,大腸,肝,腎,褐色脂肪,脳および腫瘍を取り出し,それぞれの臓器での%ID/gを測定すると共に腫瘍の切片を作成してARGを行った.その結果,多くが血中に残っていたが,一部は腎,肝,脾等に分布した.また,脾と同じ程度の量が腫瘍(A-431)に分布していた.ARGを撮影したところ,A-431には明らかな取り込みが認められたが,MDA-MB231には取り込みが見られなかった.なお,SPECTおよび蛍光の全身撮影では,腫瘍には集積は確認できなかった.
この結果より,本有機シリカ粒子は腫瘍に分布はしたが,その量は少なくイメージングには足りなかった.今後は,標識技術の向上により比放射能を高めてSPECTの感度を上げる努力が必要である.しかし,ARGでは明らかな取り込みを確認できたため,抗体イメージングが成立している可能性が示唆された.今回の評価では使用しなかったが,本有機シリカ粒子にはMRIでコントラストを得られるガドリニウムやX線吸収差をもたらす金粒子を練り込むことが可能である.抗体及びRIの標識技術は全く同一で可能であるため,今回の技術開発でマルチモーダルな有機シリカ粒子を用いた抗体イメージング技術の基礎を築くことができた.
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