2015 Fiscal Year Research-status Report
大規模医療データベースを用いた2型糖尿病における急性膵炎の合併リスクの評価
Project/Area Number |
15K08710
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小出 大介 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (50313143)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 疫学 / 糖尿病 / 急性膵炎 / 合併症 / データベース / リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病患者数は年々増加し、様々な糖尿病治療薬が近年次々と登場してきており、その中でもDPP4阻害薬などはその使用割合が急激に増えているが、急性膵炎のリスクについて懸念があり添付文書も改訂されている。ただし日本人の2型糖尿病患者における背景情報として、そもそも急性膵炎になるリスクについて十分な情報がない。そこで本研究の目的は、厚生労働省保険局が管理する全国規模のレセプトデータベースを用いて、2型糖尿病患者における急性膵炎のリスクについて評価することである。 初年度としては、ナショナルレセプトデータベース(NDB)を利用するためには強固なセキュリティ確保が求められることから、その体制とマニュアル作成、そして研究のための詳細なプロトコルを作成した。体制としては、入退室管理簿を整備し、マニュアルとしては「個人情報保護方針」、「情報セキュリティ基本方針」、「情報システム運用管理規定」、「情報システム文書管理規定」、「リスク分析規定」、「システム障害対応規定」、「システム障害時対応マニュアル」、「監査規定」、「情報システム運用体制図」、「リスク対応表」など40種類と膨大な数となり時間を要した。またNDBについてはかつて年2回程度の利用申請しか受け付けていなかったが、現在は常時受け付けていることから、その点では急ぐ必要はなくなった。プロトコルについては、ICD-10のE11-14を有するものとし、それら糖尿病患者以外(ICD-10でE10コードの1型糖尿病も除く)から性別と年齢(±5歳可)をマッチングしてコントロールを得る。なお急性膵炎についてはICD-10のK85とし、画像検査等も考慮する比較的シンプルなものとした。 これらを踏まえて次年度に国へNDB利用申請を提出してデータを獲得し、また学内の倫理審査の承認を得ることになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度としてはデータを入手するための準備を開始し、申請書のためのセキュリティ関連のドキュメントと研究の実施に向けたプロトコル作成を行った。これを踏まえて国のナショナルレセプトデータベース(NDB)を利用するための申請及び学内の倫理審査を次年度に通してデータを獲得する。必要となるセキュリティ関連ドキュメントは種類が多く、整備に時間を要したが、NDBの利用承認を得るためには必要な事であり、想定の範囲内であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究として3年計画の1年目が終了し、その初年度としてデータ入手に向けた下準備ができた。今後は実際にデータを獲得するために厚生労働省保険局へ申請をだすことになり、そしてその利用の可否をについて有識者会議での審議を経ることになり、また実際のデータ抽出といった作業のための時間が今後かかることになる。これらの点が本研究を遂行していく上での律速段階になると考えられる。あまりに時間をかかる場合や万が一にも利用できない事態が生じるようなことがある際には市販の保険データベースの利用なども検討する。またこれらと並行して学内の研究倫理審査委員会に申請を出して承認を得ることとする。
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Research Products
(3 results)