2016 Fiscal Year Research-status Report
住民参加型自殺予防対策の効果に関する実証的検証研究
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15K08726
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 久長 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70205855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヨン キム・フォン・ロザリン 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40771796)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自殺対策 / 住民参加 / ゲートキーパー / メンタルヘルスサポーター / ボランティア養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)H28年度にA県で開催した養成講座に参加したボランティアを対象に活動状況等について調査を行った(415名、回収率70.1%)。23.1%が「現在関わりたいと思う心配な人がいる」と回答していた。またゲートキーパーに期待される「気づき」「声かけ」「つなぎ」について、困難を感じるのは10%未満で、30%前後は積極的に役割を果たしたいと考えていた。心配な人の有無と役割に対する困難度の関連では、心配な人がいない群の方が役割に積極的な傾向がみられた。実際に心配な人がいる人が援助行動できるように支援する必要性が明らかになった。 2)サロン活動などに参加しているボランティアを対象に活動状況等について調査を行った(141名、回収率72.3%)。39.7%が身近に自殺した人がいたと、33.3%が「死にたい」と訴えられたことがあったと回答していた。死にたいと訴えられたことの有無とボランティアとしてのスキルの自己評価との関連では、訴えられたことがある群の方がスキルがあると自己評価する傾向にあった。ボランティアでも希死念慮を受け止める経験を通して自信を持てるようになることが示唆された。 3)保健所(2カ所)、市町村(4カ所)の保健師を対象とした自殺対策の状況、とくにボランティアの役割についてのヒアリングを行った。ボランティアが運営しているサロン活動については、つながることで心配な人が安定することを感じていた。一方で現在起きている自殺について、新たな役割を期待する意見もあった。 4)若年層の自殺対策について、引きこもりの人を支援しているボランティアのヒアリングを行った。居場所づくりについては、自殺対策と引きこもり対策が連携することが効果的な支援につながるという意見があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
A県で新たに取り組んだボランティア養成の評価に取り組んだことから、当初予定していた地域間の特徴についての研究をH29年度に実施することにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
1)ボランティアを対象とした調査の対象を広げ、地域間の特徴を分析する。 2)保健師を対象にした質的調査を実施する。
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Causes of Carryover |
H28年度に実施予定の地域間の特性を明らかにする調査の実施にがH29年度に変更になったことに伴い、調査関連費用等が繰り越しになった。海外での学会発表旅費を別の予算で対応した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年8月に調査を実施する予定で、その費用として今年度使用する。学会発表旅費は今年度使用する。
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Research Products
(11 results)