2017 Fiscal Year Annual Research Report
Examination of usefulness of turbidity meter for oral cleanliness evaluation in patients with ventilator management
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15K08739
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
井川 加織 宮崎大学, 医学部, 助教 (90423722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 善弘 宮崎大学, 医学部, 教授 (30254634)
永田 順子 宮崎大学, 医学部, 講師 (50264429)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 人工呼吸器関連肺炎(VAP) / 濁度計 / 口腔ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
気管挿管による人工呼吸管理の合併症の一つである人工呼吸器関連肺炎(VAP)は、死亡率24~76%といわれ、VAP予防は呼吸管理を行う上で重要な問題となっている。VAPの起炎菌の多くが口腔内細菌由来であることから、口腔ケアによる予防が期待されている。しかし、救命救急センターや集中治療室での日常の口腔ケアは看護師により行われているため、誰もが口腔内を複雑な観察技術で客観的に評価することは困難である。そこで、口腔ケアを行う際の口腔内洗浄液の濁り(濁度)を濁度計を使用して測定することにより、口腔からの潜在的な感染症のリスクを簡易的に検査および評価できるかを検討した。対象症例数は12例と少ないものの、12例中口腔内評価にてROAGが最も高値であり、また口腔内洗浄液の最も濁度が高い(濁りの強い)1症例においてVAP発症を認めた。また、VAP発症を認めた症例は、入院後28日目に血液培養検査でペニシリン耐性であるCorynebacterium striatumを検出されたが、このCorynebacterium striatumは入院・挿管後1日目に口腔内洗浄液より16S rRNA遺伝子シーケンスによる細菌叢解析にて検出された細菌と一致した。本症例のように飛び抜けて口腔内洗浄液の濁度が高い症例においてはVAP発症に注意が必要と考えられるが、症例数が少なく口腔内洗浄液の濁度からVAP発症のリスクが判断できるまで構築することができなかったため、さらなる症例を増やして検討することが必要と考える。VAPの起炎菌の多くが口腔内細菌由来であることから、VAP予防の新たな戦略として、包括的な呼吸管理のために多種職が連携することが求められており、今後の人工呼吸器管理患者への積極的な口腔ケアの介入を進めていくことが必要と考える。
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