2015 Fiscal Year Research-status Report
都市部勤労者における食行動の長期追跡研究-循環器疾患危険因子との関連-
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15K08765
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Research Institution | 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防健診部・健康開発 |
Principal Investigator |
木山 昌彦 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病, その他部局等, その他 (10450925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 光政 獨協医科大学, 医学部, 助教 (00567498)
丸山 広達 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20627096)
村木 功 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病, その他部局等, その他 (70731561)
北村 明彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80450922)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食行動 / 糖尿病 / 経年変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
都市部勤労者の食行動の経年変化を分析した結果、その特徴として、朝食欠食率が若い世代に多いことや、間食・夜食の割合が漸増傾向にあること、一方で漬物や塩蔵品などを食べる者の割合の漸減傾向がみられた。 また、都市部勤労者に比較的多い朝食欠食は、先行研究で糖尿病発症との関連が報告されているが、勤労者を対象とした研究は少ないため分析を行った。旧大阪府立健康科学センター(現大阪がん循環器病予防センター)で2001~2004年に健診を受診した20~64歳の男性勤労者3235名を対象とした。空腹時血糖と非空腹時血糖、HbA1c(NGSP値)、糖尿病治療の有無により耐糖能異常発症の有無を判断し、Cox比例ハザードモデルを用いて、欠食との関連性を調べた。平均追跡期間6年間で、欠食者1007名中208名(年齢調整発症率:37.5/1000人年)が、摂取者2228名中409名(28.2/1000人年)が耐糖能異常を発症した。摂取者に比べ、欠食者の多変量調整ハザード比は 1.32(95%信頼区間:1.10-1.57)と有意に高値を示し、50歳以上の集団で1.49(1.03-2.14)、過去にも飲酒習慣がない集団で2.31(1.48-3.68)、1日3.0合以上の飲酒習慣がある集団で1.74(1.02-2.97)と有意に高値を示した。本研究結果により、日本の都市部男性勤労者において、朝食欠食は耐糖能異常発症のリスクを上昇させる要因の一つであり、年齢や飲酒習慣によって、欠食の耐糖能異常発症への影響が変わる可能性が示された。 さらに関連する業績として、高血糖状態が眼底出血の発症リスクになることもわかった。糖尿病治療薬を服用していない者では、HbA1c値が高いほどすべての眼底出血ならびに糖尿病網膜症による眼底出血の発症率が有意に上昇することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書にある 【研究①】食行動の15年間の経年的変化 【研究②】食行動やその組み合わせと循環器疾患検査指標の15 年間の変化との関連 について解析結果を学会発表まで実施した。 現在、データの追加を行っており、今後も計画通りにエビデンス構築ができると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り、平成28年度に、【研究②】食行動やその組み合わせと循環器疾患検査指標の15 年間の変化との関連、【研究③】食行動やその組み合わせと高血圧・糖尿病等循環器疾患危険因子の発症との関連、の解析の実施する。さらに【研究④】定量的評価をした食習慣と循環器疾患危険因子との量-反応関係、のためのデータベース構築を実施し、都市部中高年勤労者における、食行動と循環器疾患危険因子との因果関係を分析し循環器疾患予防対策に資するエビデンスを立証する。
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Causes of Carryover |
当初の予定より早く分析解析が終了したため、人件費並びに旅費をおさえられた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度はさらに詳細に分析を行なうために繰り越した研究費を用いたい。
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Research Products
(2 results)