2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K08769
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
稲寺 秀邦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (10301144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 正国 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (90572115)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 希少糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病の増加は、わが国をはじめとする先進国のみならず、発展途上国においても重要な課題である。わが国では糖尿病が強く疑われる人は約890万人、糖尿病の可能性を否定できない人は約1320万人と推定され、有効な糖尿病の予防・治療戦略の確立は重要な課題である。糖尿病予防・治療の第一は、生活習慣要因とりわけ食習慣の是正であるが、長期の実効性に乏しく、効果はあがっていないのが実状である。日本人における糖尿病の病態は、内臓脂肪型肥満によるインスリン抵抗性を示すものが増加傾向にあり、食事療法の重要性はますます高くなっている。 希少糖は、自然界にわずかに存在する単糖類であり、抗う蝕性を持つキシリトール等およそ60種類が知られている。希少糖のなかでもD-Psicose (D-ribo-2-hexulose:以下プシコース)は、動物実験により食後血糖上昇抑制作用が報告されているが、その作用機構の詳細については十分明らかにされていない。本研究は、希少糖を用いた糖尿病の新しい治療戦略を確立することを目的とし、希少糖作用の分子メカニズムを実験的に明らかにすることである。 糖尿病では、高グルコースにより細胞内に様々な変化が生じる。平成27年度は、高グルコースの細胞毒性のメカニズムを明らかにすることを目的として、培養細胞を正常グルコースおよび高グルコース下で培養し、細胞内の変化を検討した。ヒト単球細胞株であるU937細胞は、高グルコースにより、顕著な影響は認められなかった。一方、ヒト肝癌細胞株であるHepG2細胞では、200mMの高グルコースによりアポトーシスが誘導され、これにともないアポトーシス関連蛋白質の発現レベルが変動した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高グルコースにより細胞内に変化が生じることが明らかになり、高グルコースの影響を観察する系を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
高グルコースにより細胞内に変化が生じることが確認された。今後は、グルコースの代わりに希少糖であるプシコースを細胞に添加し、細胞内の変化について培養細胞を用いて比較検討する。
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Causes of Carryover |
消耗品の購入予定が当初の予想より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費(消耗品費用)として使用する。
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Research Products
(5 results)