2017 Fiscal Year Annual Research Report
Novel strategy for diabetes using rare sugar
Project/Area Number |
15K08769
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
稲寺 秀邦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (10301144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 正国 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (90572115)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 希少糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然界にわずかに存在する単糖類である希少糖は、様々な生理作用を有している。なかでもD-Psicose (D-ribo-2-hexulose:以下プシコース)は、動物実験等によりグルコース低下作用が報告されている。しかし、その生理作用の詳細や作用メカニズムに関する基礎的知見は不足している。そこで希少糖を用いた糖尿病の新しい治療戦略を確立する目的で、培養細胞を用いて、プシコースの作用分子機構を明らかにすることを試みた。 1.希少糖の脂肪蓄積能およびアディポカイン分泌に及ぼす影響の検討:脂肪細胞株3T3-L1細胞(以下L1細胞)は脂肪合成能を有し、脂肪細胞のモデルとして広く用いられている。はじめに、グルコースを正常濃度(5mM:正常グルコース 以下 NG)と高濃度(25mM:高グルコース 以下HG)にて培養した時、細胞内の中性脂肪含量および善玉・悪玉アディポカインの分泌量を検討した。次にグルコースをプシコースに換えた時の変化を検討した。その結果、希少糖プシコースは脂肪細胞の脂肪蓄積能、およびアディポカイン分泌能に影響を及ぼす可能性が示唆された。 2.希少糖の酸化ストレス抑制作用の検討:われわれは、HGがヒト胎盤絨毛細胞の細胞内酸化ストレスを増加させることを報告した(Endocr. J. 57; 567, 2010)。酸化ストレスは、糖毒性の基盤である可能性が示唆されている。細胞をNG、HG下で培養後、細胞内ROS(reactive oxygen species)産生、およびカタラーゼ、SOD等の抗酸化酵素の発現と活性に及ぼす影響を検討した。その結果HGにより細胞内酸化ストレスが増加することが確認され、希少糖プシコースはHGによる酸化ストレスを軽減する可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)