2018 Fiscal Year Research-status Report
睡眠障害と職業性ストレスの抑うつ発症リスクに関する製造業従業員の縦断調査
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15K08771
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榊原 久孝 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (80153873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 直子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (10587009)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抑うつ / 不眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
科学研究費による最終のまとめにあたり、約2,000人規模の製造業のある事業所で働く労働者を対象に、これまで実施した2011年から2017年度までの毎年の不眠(アテネ不眠尺度)と抑うつ(CES-D)などの調査結果について、各被験者の経年経過を解析できるようデータベースを整備した。そして、解析対象者として、60歳以下の男性の日勤者に限定するとともに、精神疾患や睡眠時無呼吸症候群の既往・治療中の者を除外し、初年度ベースライン時に抑うつのないもの(CES-D総得点が16点未満)を最終的なコホート対象者とした。結果的に、1,332名(平均年齢38.8±14.3歳)を解析対象者とした。この解析対象者1,332名について、2011年から2017年までの間の抑うつ発症の追跡とともに、発症要因について解析した。 各被験者の平均観察年数は2.9年で、6年間の追跡中の抑うつ発症者(CES-D16点以上)は352名(発症率26.4%)であった。 抑うつ発症に関連する要因について、年齢を調整し、不眠の程度別(AISの得点区分)での抑うつ発症リスクをCox回帰分析で検討した。その結果、不眠ありでは、ハザード比(HR) 1.64 (95% CI 1.45-1.86)の関連が認められた。また治療中 (HR 2.22; 95% CI 1.63-3.03)、家族と同居なし(HR 1.13; 95% CI 1.04-1.23)、睡眠時間が短い(HR 0.88; 95% CI 0.77-1.00)で有意差が示され、職種で(HR 1.06; 95% CI 0.99-1.13)と有意な傾向であった。それ以外の喫煙、飲酒、運動などの生活習慣では有意な差が認められなかった。 現在、この関連要因を考慮した抑うつ発症リスクについてさらに分析をして最終結果のまとめ作業を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査自体は順調に終了した。ただ2011年から2017年まで調査データについて、各被験者の経年経過を解析できるようデータベースを整備し、その間の抑うつ発症の発症要因について解析について、時間がかかり、詳細な関連要因を考慮した不眠の抑うつ発症リスクについての最終結果を年度内に終了することができなかった。ただデータベースは整備され、解析も進行中であり、最終結果については近いうちに完了する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、2011年から2017年までの調査結果についてのデータベースは整備され、解析も進行中であり、最終結果については近いうちに完了する予定である。
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Causes of Carryover |
現在最終のデータ解析及び論文作成を実施中であり、その費用として残金を使用する予定である。
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