2015 Fiscal Year Research-status Report
周期性四肢疼痛に関わる新規遺伝子の機能解析と創薬への応用
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15K08772
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥田 裕子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30709663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 昭夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50124574)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 家族性四肢疼痛 / チャネロパチー / ナトリウムチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、四肢の大関節に痛みを来す遺伝性慢性疼痛発症家系6家系で見いだされた痛み物質として考えられるSphingosine-1-phosphate(SPH-1-P)の代謝関連タンパク、(1)ペンタマイド(Paintamide)、および同家系で見つかった(2)ナトリウムチャネルの変異について、in vivo, in vitro解析を行った。 1)Paintamideに関する解析 患者の疼痛時、非疼痛時におけるPaintamideの血中濃度比較を行ったが差がなかった。ノックインマウス作成段階において、ノックアウトベクターによる複数のキメラマウスからF1ヘテロマウスを獲得することが困難であり、上記のとおり疼痛による差がなかったことから、ノックインマウス作成は行わないこととした。 2)ナトリウムチャネルの変異 変異X1,2の安定発現株において、パッチクランプ法を用いチャネル電流解析を行った。変異と野生型(WT)チャネル間で、チャネルの活性化において差がないことを示した。また、変異X2について作成したノックインマウス(6-8週令)において、疼痛行動解析を行ったところ、機械刺激、熱、冷感刺激においてノックインマウスで有意な差がみられた。今後、このマウスの老齢での疼痛行動、電気生理学的解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安定発現株による電気生理学的解析を終了し、チャネルの活性化は各変異と野生型で差がなかったことを見出した。作成中であったNav1.9変異のノックインマウスが完成し、それら若齢マウス(6-8週)の行動解析で、ノックインマウスが疼痛行動を示すことを見出した。今後、DRG採取による電気生理学的解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したノックインマウスについて、電気生理学的な機能解析を行う。また若齢だけでなく、老齢での疼痛症状についても行動学的、電気生理学的解析を行う。疼痛経路に発現するチャネル変異の機能解析を詳細に行うことで、本疼痛家系だけでなく、チャネル変異による痛みを呈するメカニズムの解明をめざし、チャネル機構の創薬ターゲットとしての可能性を探る。
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