2017 Fiscal Year Annual Research Report
Neurobehavioral effects of combined mercury compounds in postnatal exposure mice
Project/Area Number |
15K08784
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Research Institution | 八戸学院大学 |
Principal Investigator |
吉田 稔 八戸学院大学, 健康医療学部, 教授 (80081660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 雅彦 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (20256390)
渡辺 知保 国立研究開発法人国立環境研究所, その他部局等, 理事長 (70220902)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 水銀蒸気 / メチル水銀 / 複合曝露 / 成長期 / マウス / 行動異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度までの研究において、授乳期のマウスへの水銀蒸気(Hg0)、メチル水銀(MeHg)そしてHg0+MeHg複合曝露の結果、オープンフィールド(OPF)試験の自発行動量はMeHg曝露群、Hg0曝露群、MeHg+Hg0曝露群ともに対照群より亢進し、OPF試験での探索行動は、MeHg+Hg0曝露群のみで探索行動に対する影響が認められた。平成29年度は神経行動異常を解明するため、遺伝子の発現レベルについて検討を行った。実験は各曝露群の大脳および小脳組織から、total RNAを抽出し、リアルタイムRT-RCR法を用いて遺伝子発現を測定した。遺伝子はDef8、Hsf2、Ppp3cb、Hmg20b、Rusc2、Tcf20、Slc8a1、Fuca、Zfp51およびPcdhga5のmRNAレベルを検討した。マイクロアレイアッセイにより、これらの遺伝子のうち、Zfp1およびPcdhga5は、低濃度水銀蒸気曝露によって2倍以上発現上昇を示した遺伝子であり、それら以外は、6割以下の発現低下を示した遺伝子である。大脳においては、Ppp3cbのmRNAレベルのみが、MeHg曝露によって有意に上昇し、他の遺伝子のmRNAレベルは各種水銀曝露による有意な変動は認められなかった。一方、小脳ではDef8、Hsf2、Tcf20およびFucaのmRNAレベルがMeHg曝露のみによって、有意に上昇したが、これ以外の遺伝子のmRNAレベルに差異はなく、また他の水銀曝露群による変動は認められた。以上のことより、本研究における発現変動が認められた遺伝子とMeHg神経毒性との詳細な検討が今後の課題とされる。
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