2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K08790
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
佐藤 実 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (90162487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 嘉紀 宮崎大学, 医学部, 教授 (50234620)
保利 一 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (70140902)
田中 晋 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (70280253)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自己抗体 / 抗核抗体 / 自己免疫 / 鉱物油 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は鉱物油に暴露される作業場の研究参加への交渉、試料の収集を行うとともに、血清の免疫学的検査のうち多数の検体での血清自己抗体スクリーニングのシステムを確立することに重点を置いた。自己抗体スクリーニングの条件の基礎的検討を行い、鉱物油暴露群の対象となるコントロール群(鉱物油暴露のない職場で作業する労働者)で試験的に測定を行った。 1) 蛍光抗体法による抗核抗体の測定:市販の標準的抗核抗体用のHEp-2細胞スライド(MBL社)を用いて80倍希釈血清でスクリーニングを行った。蛍光顕微鏡で観察、写真撮影し、蛍光染色の有無、パターン、強さを記録するシステムを作成した。スクリーニングには大学の共同利用研究センターに新たに設置された蛍光顕微鏡を用いることとし、同一の条件で強陽性から陰性までの試料のスクリーニングを行うための条件を検討した。 2) 免疫沈降法による各種自己抗体の検出:患者血清中の特異自己抗体の蛋白成分は35S-メチオニン標識K562細胞抽出物を用いた免疫沈降法で検出する。このシステムでコントロール群血清を用いてスクリーニングを行った。 3) 酵素免疫測定法(ELISA):血清中の特異自己抗体をRo52, Ro60, CENP-A, CENP-B, DFS70のリコンビナント蛋白を用いて測定するための条件を検討した。各抗体の半定量のための希釈曲線を作成する標準血清は、自己免疫疾患患者血清のスクリーニングから選択し、自己抗体の測定結果をユニットとして換算する準備ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度に新しく実験助手を採用し、実験手技の基本から教育、トレーニングが必要であった。1) 蛍光抗体法による抗核抗体の測定、2) 免疫沈降法による各種自己抗体の検出、3) 酵素免疫測定法(ELISA)、に関しては、手技に習熟しスクリーニングが可能な状態となっている。免疫沈降のRNA成分の分析、免疫沈降―免疫沈降ブロット法に関しては、今後、実験助手を教育し可能となる見込みである。 鉱物油暴露と関係しない職場の血清試料は収集されてきているが、鉱物油暴露の職場の研究参加への交渉、試料の収集は予定より遅れている。 鉱物油暴露作業現場における環境測定、労働環境における鉱物油の検出、定量、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)を用いた各施設で実際に使用している鉱物油成分の分析に関しては、まだ準備段階である。 I-IFN誘導遺伝子発現の分析に関しては、時間、労力、予算などの制限があり、まだ検討が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
鉱物油暴露の作業場の研究参加への交渉、試料の収集を引き続き行う。当初、研究への参加に好意的で、同意されると考えられた作業場でも、最終的な合意に至らなかった作業場があり、新たに別の会社とも交渉を進めていく予定である。鉱物油暴露作業現場における環境測定、労働環境における鉱物油の検出、定量、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)を用いた各施設で実際に使用している鉱物油成分の分析に関しては、今年度中に開始する。 免疫沈降のRNA成分の分析、免疫沈降―免疫沈降ブロット法については、実験助手の教育を行い、全ての自己抗体検査のスクリーニングが可能な状況としていく。
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Causes of Carryover |
鉱物油暴露の職場の研究参加への交渉、試料の収集が予定より遅れている。鉱物油暴露作業現場における環境測定、労働環境における鉱物油の検出、定量、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)を用いた各施設で実際に使用している鉱物油成分の分析に関しては、まだ準備段階であり、これに関連する旅費、物品費は次年度に持ち越しとなった。また、血清自己抗体の分析もまだ、本格的に開始していないため次年度に持ち越しとなる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
鉱物油暴露の作業場の研究参加への交渉、試料の収集を引き続き行う。鉱物油暴露作業現場における環境測定、労働環境における鉱物油の検出、定量、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)を用いた各施設で実際に使用している鉱物油成分の分析に関しては、今年度中に開始し、旅費、物品費を使用する予定である。血清自己抗体の分析についても試料が集まり次第、行う。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Report of the First International Consensus on Antinuclear Antibody HEp-2 Cell Patterns (ICAP) Standardization, 2014-20152015
Author(s)
Chan EKL, Damoiseaux J, Gabriel Carballo O, Conrad K, de Melo Cruvinel W, Carvalho Francescantonio PL, Fritzler MJ, Garcia-De La Torre I, Herold M, Mimori T, Satoh M, von Mühlen CA, Andrade LEC
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Journal Title
Frontiers Immunol
Volume: 6
Pages: 412
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Book] Vaccines and Autoimmunity2015
Author(s)
Jara LJ, Medina G, del Pilar Cruz Dominguez M, Vera-Lastra O, Saavedra MA, Vazquez del Mercado M, Satoh M
Total Pages
384 (175-84)
Publisher
John Wiley & Sons, Inc.
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