2015 Fiscal Year Research-status Report
ライフコースアプローチを用いた思春期のメンタルヘルスに影響を及ぼす要因の検討
Project/Area Number |
15K08801
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐藤 美理 山梨大学, 総合研究部, 助教 (10535602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 然太朗 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10210337)
鈴木 孝太 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (90402081)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 思春期 / 抑鬱 / インターネット依存 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、既存の出生コホートフィールドを基盤に、毎年、山梨県甲州市の小学校4年生から中学校3年生までの約2000人に思春期調査を施行している。調査内容は、生活習慣および抑うつ症状、起立性調節障害やインターネット依存などの自記式調査と児童生徒健康診断表からの身体データの抽出である。平成27年度は、例年通り7月に、「児童生徒の心の健康と生活習慣に関する調査」を実施した。平成20年度から蓄積されているデータに、これらのデータをリンケージして思春期縦断的検討のために準備を行っている。 平成27年度は、近年問題となっているインターネット依存とメンタルヘルスの検討を行った。上記の一部のデータを使用し、ベースライン及び1年後の抑鬱症状の有無が、さらに1年後のインターネット依存にどのように影響を及ぼしているかを検討した。その結果、最初の2年間とも抑鬱症状を有していた児は、2年間有していなかった児に比べて、性別と学年で調整後、8.2倍インターネット依存となっているリスクが高かった。インターネット依存と抑鬱は、因果関係が明らかではないので、今後は、インターネット依存がメンタルヘルスに及ぼす影響の検討も含め、サンプル数を増やしたデータにより、検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
甲州市小中学校とのデータ抽出などについて、さらに合理的で安全な方法がないかを検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
毎年実施している思春期調査は、概ね学校側の協力が得られているが、学校側からはもう少し結果の還元を求められている。今年度は、社会還元の方法も工夫が必要だと思われ、検討中である。
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Causes of Carryover |
昨年度に、甲州市と山梨大学の包括協定が結ばれたことにより、データのやり取り等のシステムの見直しを行うことになった。これによりデータの整備が例年より遅れたので、報告書が次年度持ち越しとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度の報告書と合併号にするかどうかを検討中である。 集計結果の資料は配布する予定である。
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Research Products
(2 results)