2018 Fiscal Year Research-status Report
エピジェネティクス理論に基づいて生活習慣病の起源を疫学的に探究する
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15K08802
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
玉腰 浩司 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30262900)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 出生時体重 / 糖尿病 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
2002年(ベースライン調査)、2004年、2007年、2011年に行った病歴調査の結果と2002年以降の健診における血糖値をもとに糖尿病発症を把握したデータベースを有している。これには、自己申告値として20歳、25歳、30歳、35歳、調査時年齢の5年前の5つの体重が入力されている。2019年度は出生時体重と体重変化の関連について分析した。対象は、男性2479名(平均年齢±標準偏差:46.8±7.2歳)、女性861名(45.2±6.9歳)である。分析には経時データを扱うため線型混合モデルを用いた。出生時体重は低出生体重を基準に2500g未満と2500g以上の2群に分け、5時点での体重との関連、特に出生時体重によって体重増加のパターンが違うか否かを検討した。従属変数に5時点の体重、固定効果に出生時体重2群、5時点、両者の交互作用項とするモデルを構築し、男女別に解析した。5時点全てを用いた分析では、男女とも交互作用項は統計学的に有意ではなかった。次いで、期間を20歳から30歳まで(20歳代)と30歳以降の2つに分けたところ、20歳代では男女とも交互作用項は有意ではなかったが、30歳以降の女性において交互作用項がp=0.072と境界有意を示した。モデルによる推定体重値(平均±標準誤差kg)は、30歳、35歳、調査時年齢の5年前の順に、2500g未満群は48.8±0.8、50.6±0.8、50.0±0.8、2500g以上群は50.9±0.2、52.5±0.2、53.0±0.2であり、2500g未満群では35歳以降の体重増加がみられなかった。男性では交互作用項は有意ではなかった。低出生体重と生活習慣病との正の関連とは矛盾するような結果ともいえるが、閉経年齢を早める可能性もあり、今後の検討課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで出生時体重と糖尿病発症との関連について、縦断的な視点で解析を進め、結果を得てきた。2018年度は出生時体重と成人期の体重変動との関連を検討した。女性の2500g未満で出生した群では30歳以降の体重増加がみられなかったことは、閉経年齢を早めている可能性があり、低出生体重と生活習慣病との関連の背景にある病態メカニズムの一つであると考えられる。また、現在、保存した試料よりDNAを抽出し、遺伝子多型を分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
従来より検討している出生時体重と成人期の生活習慣病発症との関連について、糖尿病に加えて心血管事故等との関連を検討しうるデータベースを構築し、解析する。さらに、遺伝子多型の情報を加味した検討も実施する。
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Causes of Carryover |
理由:保存試料の分析を進めているが、その進行状況に合わせて物品を購入したため差額が生じた。 使用計画:保存試料の分析と発表等、最終年に向けた研究活動に使用する
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[Journal Article] A Point System for Predicting 10-Year Risk of Developing Type 2 Diabetes Mellitus in Japanese Men: Aichi Workers' Cohort Study.2018
Author(s)
Yatsuya H, Li Y, Hirakawa Y, Ota A, Matsunaga M, Haregot HE, Chiang C, Zhang Y, Tamakoshi K, Toyoshima H, Aoyama A.
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Journal Title
Journal of Epidemiology
Volume: 28
Pages: 347-352
DOI
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