2016 Fiscal Year Research-status Report
タンザニアの地方保健センターにおける実践適応科学の試み
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15K08808
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐藤 美穂 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 助教 (40607256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 純久 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90244053)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | タンザニア / 保健計画 / 住民参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年10月24日から11月5日にかけて現地調査を実施した。 昨年度は介入(コミュニティ保健委員会メンバーを対象とした保健センター計画策定に関するトレーニング)とベースライン調査を実施し、今年度の現地調査の目的は調査対象10施設のうち、介入施設である2県5施設(リンディ県2施設、キルワ県3施設)の保健委員会メンバーと2県の県保健マネジメントチームにフォーカスグループ・ディスカッションを実施し、介入とその結果である保健センター計画がどのように県保健計画に取り入れられたのかを明らかにすることを目的とした。 全ての介入施設が保健センター計画を策定し、県保健局に提出した。計画書の質はまばらではあるが、介入の成果と考えることができる。しかし、保健センター計画に対する県保健局からのフィードバックの欠如、あるいは保健センターで収集され、保健センターの口座に振り込まれた財源へ保健センターがアクセスできない、あるいは県保健局によって事前に保健センターの承諾なしに使用される、など保健センター委員会と県保健局とのコミュニケーションの不具合による問題点が浮き彫りになった。県保健マネジメントチームへのインタビューからは、燃料がないため保健センターにスーパービジョンの訪問をすることができず、そのためフィードバックができない、などの説明があった。 時間と労力をかけ保健センター委員会メンバーが策定した保健センター計画も、県保健局のフィードバック、さらに活動への予算配分が明確にされなければ、そもそも計画を策定する意義を問うことになってしまうため、保健計画策定期には、県保健局が保健センターを継続的に支援することを県保健局に要請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進んでいる。 2015年12月に発足したマグフリ新政権は様々な改革を実施しており、その影響は保健計画策定プロセスにも及んでいる。2017年の2月の保健計画策定期では、新たなガイドラインが発表されたため、別予算を投入し、新ガイドラインに沿った計画策定ができるよう、介入保健施設に追加の研修を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度にあたるため、エンドライン調査を実施するとともに、年度内にエンドライン調査結果をキルワ県、リンディ県保健局、リンディ州保健局と共有し、保健計画策定プロセスを検証する予定である。
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Causes of Carryover |
タンザニアシリングと円の交換レートの変動により残額が生じてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額としてエンドライン調査費用として使用する予定である。
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