2015 Fiscal Year Research-status Report
地域高齢者における認知症予防を目指した「現代高齢者版余暇活動尺度」の開発
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15K08809
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
岩佐 一 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60435716)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者保健 / 認知症予防 / 認知機能 / 余暇活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
読書やパズルなどの余暇活動を頻繁に行う高齢者は認知症の発症リスクが低いことが欧米を中心に報告されており、日本の「生きがい型」認知症予防に応用されている。しかしながら、欧米と日本では高齢者の余暇活動の様相が異なり、日本独自の知見の蓄積が必要である。さらには、現代高齢者における余暇活動の標準的な評価方法は未だ確立されていない。そこで本研究は、地域高齢者を対象として、認知症予防を目指した「現代高齢者版余暇活動尺度」を開発することを目的とする。本研究の実施によって、地域高齢者における余暇活動を測定する標準的ツールが完成できる。平成27年度は以下の活動を行った。
(1)【既存データの解析・知見の公表】 既存データを解析して、余暇活動尺度の原案作成に資する知見の提出に関する作業を行った。余暇活動11因子の確証的因子分析、余暇活動11因子の基本特性(平均値、標準偏差、通過率、95%信頼区間)、性差・年齢差、並存的妥当性の検証(精神的健康、高次生活機能、社会的ネットワーク、健康リテラシー)等を行った。さらにはその知見を、英文雑誌に公表するため論文化作業を行った。現在、投稿のための最終作業を行っている。
(2)【訪問面接調査の準備】 平成28年度に実施する予定の訪問面接調査の準備作業を進めた。研究倫理申請を行い受理された。現在、調査票原案の作成、予備調査の準備、調査対象地域の選出、対象者名簿抽出作業、調査委託業者との折衝等を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)平成27年4月~8月に育児休業を取得しておりその時期に研究を行うことができなかったため。 (2)知見の公表を和文誌から英文誌に変更したため。 なお、平成28年度はより精力的に研究活動を進め、初年度の遅れを挽回したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、「現代高齢者版余暇活動尺度(暫定版)」の妥当性の検証を行うため、余暇活動尺度項目と認知機能検査得点の対応関係を検討する。対象者は、地域に在住する高齢者男女800人(想定参加率62.5%、対象地域選定中)である。調査項目として、「現代高齢者版余暇活動尺度(暫定版)」11項目、認知機能検査(MoCA、MMSE、語想起検査、日本語版ADAS10単語記憶検査)、基本属性(性別、年齢、教育歴、最長職、子育ての経験、経済状態自己評価、居住形態)、健康状態等(健康度自己評価、生活習慣病既往、日常生活動作能力、高次生活機能)を実施する。調査会社に委託して訪問面接調査を実施する(名簿抽出、実査、調査票作成・印刷、データ入力等)。確実に調査を実施するために専門の調査会社に委託する。データ解析では、余暇活動尺度と認知機能検査得点の対応関係を検討する。とくに認知機能のどの要素(処理速度、遂行機能、長期記憶)と最も対応するのかについても詳細に明らかにする。 既存データの分析結果の一部公表と情報収集のために、第58回日本老年社会科学会(松山市、6月11日~12日)、第31回国際心理学会(横浜市、7月24~29日)に参加する。 平成29年度は、(1)調査結果を総括し、「現代高齢者版余暇活動尺度」を完成させる。(2)最終成果について国内外の学会のほか、英文誌にて公表を行う。(3)一般市民向けに本知見を分かりやすくまとめたリーフレットを作成し、調査参加者へ郵送するほか、所属機関のHP での紹介、調査地域の自治体機関紙、市民向け講演会などでの紹介を行う。
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Causes of Carryover |
年度の前半に育児休暇を取得し研究活動ができなかったために、計画の遂行がやや遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
(1)既存データ解析の公表のための英語論文作成にかかる費用(英文校正費、掲載料等)を支出する。 (2)「現代高齢者版余暇活動尺度」の妥当性の検証を行うため、余暇活動尺度項目と認知機能検査得点の対応関係を検討する。調査会社に委託して訪問面接調査を実施する(名簿抽出、実査、調査票作成・印刷、データ入力等)ための費用を支出する。 (3)既存データの分析結果の一部公表ならびに情報収集のために、第58回日本老年社会科学会(松山市、6月11日~12日)、第31回国際心理学会(横浜市、7月24~29日)に参加するための費用を支出する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Development of the Japan Science and Technology Agency Index of Competence (JST-IC) to assess functional capacity in older adults: Conceptual definitions and preliminary items2015
Author(s)
Iwasa H, Masui Y, Inagaki H, Yoshida Y, Shimada H, Otsuka R, Kikuchi K, Nonaka K, Yoshida H, Yoshida H, Suzuki T
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Journal Title
Gerontology and Geriatric Medicine
Volume: 1
Pages: 0-0
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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