2016 Fiscal Year Research-status Report
血管作動性ペプチド MR-proADMを中心とした血管性認知症の前向き疫学研究
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15K08812
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
栗山 長門 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60405264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 能行 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00191809)
尾崎 悦子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00438219)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 軽度認知機能障害 / 血管作動性物質ア ドレノ メ / 頭部MRI 検査 / 虚血性深部 白 質病変 / 長期追跡調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の概要は、頭部MRI画像変化を有する群と認知機能の低下を有する群に注目し、血管性認知症の診断指標として有力視されている血管作動性生理ペプチドMidregional- proadrenomedulin (中央領域プロアドレノメデュリンMR proADM)について検討することである。追跡調査対象者は、平成20年と 同25年の計2回、本調査への参加者298 名(平均 70.8歳)である。 平成28年度は、血管作動性生理 ペプチドMR proADMを測定し、頭部MRI検査結果や臨床情報について、主たる解析を終了した。研究意義として、血管作動性白質病変のスクリーニングマーカーとして有用であるかなどを明らかとすることである。 ① 大脳白質病変の各grade群(頭部MR所見でのG0-G3群)間で、MR-proADM値は、大脳白質病変のgradeの進行に伴い有意に高値であった。② MR-proADM高値について、高MR-proADMを有するオッズ比が、G3群で3.08であり、MR proADMが、独立した認知機能低下を伴う大脳白質病変の危険因子であった。③ 脳高次機能は、Word fluency testが、大脳白質病変のgradeの進行およびMR-proADMと有意な負の相関を認めた。④ 2008年と2013年のMR-proADM測定データを比較したところ、有意な経年的な上昇が認められた。 以上より、血中MR-proADM高値が、認知機能低下を伴う白質病変と関連し、有用な臨床指標であることが示唆される結果が得られた。その第1報は、J Alzheimers Disに、英語論文として掲載されたばかりである(Kuriyama N,et al.J Alzheimers Dis. 56:1253-1262,2017)。現在、関連リスク因子に関する測定と、さらなる詳細な検討に取り組んでい る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の進捗状況であるが、 イ ンフォームド・コンセントを得て追跡している298人の集団を対象にして、引き続き、長期にわたる追跡調査を実施することの周知を兼ねて、研究成果についての確認作業を進めている。 生活習慣や臨床情報に加え、頭部MRI 検査や採血等の確認作業は、順調に終了した 。 平成29年度は、今までの解析を継続して進めるとともに、血管作動性物質 MR proADMに関連しうるマーカーKlothoにも注目して、検体測定を実施する予定である。現在、研究成果の続報を。これら関連マーカーの役割も含めて、論文として成果発表できるように、第2報として作成を予定している。 以上、上記測定と共に解析準備に入っている段階であり、本研究自体は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、引き続き、Klothoをはじめとする関連マーカーの測定、解析データ整理を進める。 そして、認知機能低下のリスク因子に関する多面的な解析を推進する予定である。 具体的な解析方法として、 認知機能低下や頭部MRI画像変化の有無に関する2群間比較に加えて、有意性の得られた要因の相互関係を補 正するために、性と年齢に加えて有意性の得られた要因を同時に投入して多変量解析を行い、オッズ比とその95%信頼区間などを求めることを予定してい る。 研究成果の情報発信として、第2報となりうるような結果が出来次第、学会発表や論文作成として報告する予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、血管作動性物質 MR proADMの第1報論文が無事に発表できたので、研究概要に書いているように、 MR proADM上昇にも関与しうる関連マーカーKlothoなどにも注目して、検体値測定を実施する予定である。現在、上記測定と共に解析準備に入っているためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、血管作動性物質 MR proADMにも関連しうるマーカーKlothoにも注目して、関係しうる血中マーカーを、これらの保存検体を用いて、測定を実施する予定である。そして、認知機能低下のリスク候補因子や予知候補マーカーに関する多面的な解析を推進する予定である。 これらの測定が終われば、認知機能低下や頭部MR画像変化の有無に関する2群間比較を実施し、年齢や性に加えて、有意性の得られた要因を同時に投入して多変量解析を行うなどの解析を予定している。研究成果の情報発信として、結果が出次第、国内外での学会発表、第2報としての英語論文作成にて報告を予定する。
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[Journal Article] Association between mid-regional proadrenomedullin levels and progression of deep white matter lesions in the brain accompanying cognitive decline.2017
Author(s)
Kuriyama N, Ihara M, Mizuno T, Ozaki E, Matsui D, Watanabe I, Koyama T, Kondo M, Tokuda T, Tamura A, Yamada K, Akazawa K, Takeda K, Takada A, Mizuno S, Nakagawa M, Watanabe Y.
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Journal Title
J Alzheimers Dis
Volume: 56
Pages: 1253-1262
DOI
Peer Reviewed
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