2017 Fiscal Year Research-status Report
A study on interaction of micronutrients of pregnant women in a high-risk area of neural tube defects in China
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15K08823
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
顧 艶紅 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30470595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛嶋 大 公益財団法人がん研究会, 有明病院 臨床研究・開発センター, 研究員 (60328565)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 甲状腺ホルモン / 葉酸代謝 / 総ホモシスティン / 甲状腺ホルモン脱ヨード酵素 / 遺伝子多型 / 神経管閉鎖障害 / 効果修飾作用 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
①本年度は主に甲状腺ホルモン脱ヨード酵素の遺伝子多型と神経管閉鎖障害(Neural tube defects, NTDs)との関連の検討を目的として研究を行なった。 方法:2007-2009年の間に症例対照研究をした。NTDs児を妊娠した妊婦は82人(症例群)、健康児を妊娠した妊婦は90人(対照群)。超音波で診断した時に末梢血をとった。末梢血を用いて、血清甲状腺ホルモンと9種類の甲状腺ホルモン脱ヨード酵素の遺伝子多型を測定した。遺伝子多型とNTDsとの関連においてSAS9.4でCochran-Armitage の傾向検定を行なった。 結果:対照群の妊婦において、2種類の遺伝子多型はHardy-Weinberg平衡に従わなかった(P<0.05)。9種類の遺伝子多型とNTDsとの関連はいずれも認められなかった(片側検定、P>0.05)。血中フリーT4レベルは15.2pmol/L(対照群の中央値)以下の場合は、4種類の遺伝子多型とNTDsとの関連が認められた(片側検定、P<0.05)。 結論:Hardy-Weinberg平衡の分析結果によって、この地域では血族結婚の可能性が確認できた。血中甲状腺ホルモンが一定のレベル以下の場合は、妊婦の甲状腺ホルモン脱ヨード酵素の遺伝子多型とNTDsとの関連が認められた。
②血清中甲状腺ホルモンと総ホモシスティンレベルとの生物的交互作用に関して、文献で調べ、まとめた。生化学や生理学の機序としては、甲状腺ホルモンはriboflavinの代謝がかかわり、flavin adenine dinucleotide(FAD)の合成を増加させる。FADは葉酸代謝に関わるmethylenetetrahydrofolate reductaseの補因子で、葉酸から総ホモシスティンへの代謝を影響する。これは間接的に我々のロジスティック回帰分析結果を支持する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中国の共同研究者と良好なコミュニケーションをとっている。再投稿を準備するための情報を提供していただいております。原稿に関して、十分にディスカッションをしあっている。
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Strategy for Future Research Activity |
甲状腺ホルモン脱ヨード酵素の遺伝子多型について、妊婦の末梢血のデータと胎盤のデータとの比較研究を行なう予定である。まず、胎盤の遺伝子多型データを用いて、Hardy-Weinberg平衡の解析を行なう。さらにCochran-Armitage の傾向検定を行なってから、比較研究をし、さらに結果を考察する予定である。
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Causes of Carryover |
本研究の成果を2度にわたって、国際専門誌に投稿したが、甲状腺専門医師からのコメントが主に多かった。臨床と疫学・統計学の視点で、再投稿の論文を支度中である。本研究成果の発表をレベルアップするために、88th Annual Meeting of the American Thyroid Association (Oct. 3-7, 2018)にて、演題を発表し、甲状腺専門家と交流し、情報収集をする予定。さらに再投稿をするために投稿料等が必要である。
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