2017 Fiscal Year Annual Research Report
Patterns of multimorbidity among older adults in Japan
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15K08833
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
石崎 達郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30246045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 由光 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40450598)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多病 / 高齢患者 / 診療ガイドライン / 高齢者包括評価 / 生活機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究1】高齢者における多病の実態把握のための疫学研究:被保険者数135万人の東京都後期高齢者医療広域連合の医科レセプトデータを用いて、3疾患の組み合わせパターンを分析した。被保険者3人に2人は3疾患以上を抱えていた。男性では、高血圧症・潰瘍・虚血性心疾患、女性で高血圧症・脂質異常症・潰瘍の組合せ頻度が最も高く、頻度の高い組合せは年齢階級で異なった。「3疾患以上の併存あり」の関連要因は、性別(男性)、年齢階級(85-89歳)、所得区分(一般)、在宅医療あり、入院回数(多い)、外来受診医療施設数(多い)であった。高齢者の保健事業が見直される中で後期高齢者の特性に適合する健康診査が求められており、健康診査問診票に多病を把握する項目を導入する必要があると考える。 【研究2】多病を考慮した診療ガイドライン開発のための文献的考察:2017年に日本老年医学会と日本糖尿病学会が合同で編集した「高齢者糖尿病診療ガイドライン2017」では、治療戦略の選択に際し、高齢者包括評価(CGA)を重要視している。糖尿病を抱える高齢患者の診療では,糖尿病の評価はもちろんであるが、日常生活機能や認知機能といった身体・心理・社会・経済的状態などを総合的に評価することで、その患者に対する最適な治療方略を検討する必要がある。多病を抱える高齢患者の診療では、医療介入による心身機能への負の影響を考慮し、生活機能自立度維持を治療のアウトカムとする老年医学的戦略が、多病患者における診療ガイドライン開発の際に重要な視点となる。
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