2015 Fiscal Year Research-status Report
遠隔診療の精度向上をめざしたユーザーインターフェース改善のための研究開発
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15K08856
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
本間 聡起 慶應義塾大学, 看護医療学部, 講師 (30190276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 直樹 埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (40523634)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 遠隔医療 / 遠隔診察 / ユーザーインターフェース / 電子カルテ / アラートシステム / バイタル・モニタリング / 高齢者診療 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ⅰ) 先行研究での遠隔診察項目ごとの所要時間計測:先行研究で実施した遠隔診察実験の際に撮影した医師側および患者側でのVTR映像を分析し、遠隔診察の際の診察項目ごとの所要時間をリストアップした。その結果の一部は、(1) 患者側での診察前のバイタル等の検査が2'07"(2分7秒)~3'17”、(2) 医師側での各患者の記録画面と日常のモニタリングデータ及び診察前のバイタルデータの表示画面を開く診察前準備作業が、0'33”~2'24"、(3) 視診を中心とした理学所見の観察が1項目あたり0'39"~4'26"、この理学所見については画像保存や所見の入力で、さらに最長で1'30"の追加時間を要した。また、観察(理学所見)の種類では、撮影したい部位の特定や光の条件が難しい皮膚の観察が特に時間を要した。 Ⅱ) 簡便な遠隔診療を実現する診療記録作成ソフトの開発:Ⅰ)の時間計測の中で、視診に相当する診察行為とその記録作業がもっとも煩雑であり、この点の改善も含め、診療記録作成ソフトの開発を企図した。具体例として、テレビ(TV)電話の映像の中から記録したい画像をキャプチャし(必要に応じて動画記録を残したい場合にも対応)、これらがワンタッチで保存され、医師側のPC上の遠隔診察記録画面に自動的に表示されるか、動画の場合はリンクが容易に可能になること、またモニタデータと診療録の効率的連携などである。これらの作業の効率化を図る支援ソフトウェアの仕様書をまとめた。 Ⅲ) 分担研究者での機器作成とソフト開発::患者側での診察介助者への支援として、遠隔診察用カメラ(撮影画像を撮影者がみることのできるディスプレイ、光源、ワンタッチ操作での静止画取り込み機能付き)の開発のための仕様書を作成した。また日常のモニタデータの脈拍数、体重、歩数の変化を早期に検出し、警告を発するアラート機能の開発仕様も検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では遠隔診療記録作業の支援ソフトウェアの開発仕様書作成から発注、契約締結までを初年度で行う予定であったが、この点は仕様書完成までの段階にある。しかし、契約書案まで既にまとめてあり、次年度早々に契約、実際の作業にとりかかれる見通しである。また、分担研究者での作業については、研究代表者との協議を重ねて、仕様書のまとまったものから順次、作業に入る準備が整っている。以上より、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年度は遠隔診療支援ソフトウェア開発の発注、実際の作業に移行し、年度末までには完成させる。分担研究者の機器開発も、これと併行しながら、研究代表者との協議も絡めて開発を進め、次年度末までに完成させる。3年目早々には、半年間を予定している実用実験を行うため、2年度末から実験の準備に取り掛かる。
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Causes of Carryover |
ソフトウェア開発の外注分について、初年度中に発注、契約締結まで進む予定が、やや遅れて仕様書完成までとなった。外注先との契約後、約半額を支払う予定としていたが、その発注先の候補業者がいずれも、作業完了時の一括払いの方式で良いとのことで、契約締結を急がずに、仕様書の完成に時間を費やしたことも背景にある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記、外注先との契約後、最終的に選定される業者によって異なる可能性はあるが、完成時一括払いとなる可能性が高いので、その場合は、初年度繰越の一部と次年度分計画分を併せて、2年度末頃に一括払いとなる可能性がある。ほか、研究開発に関連する情報収集や成果発表のための学会等への旅費、研究開発に際しての分担研究者での人件費などに計上している。
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