2017 Fiscal Year Annual Research Report
Developmental study for an improvement of user interface to aim at accurate medical decisions in the settings of remote practice
Project/Area Number |
15K08856
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
本間 聡起 慶應義塾大学, 看護医療学部, 講師(非常勤) (30190276)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 直樹 埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (40523634)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 遠隔医療 / 遠隔診察 / ユーザーインターフェース / 診療記録 / アラートシステム / バイタル・モニタリング / 高齢者診療 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度初めに開発を委託した医師業務の支援ソフトウェア(効率的な診療記録作業を支援するもの、データ解析機能、モニタリングデータの閲覧性を高めたもの)の納品を完了した。また、遠隔診察時の患部撮影画像を、テレビ電話画像よりも高精細な画像で観察するため、患者側で撮影された静止画像をドロップボックスに共有し、医師側で容易に診療録上にコピーできるシステムも開発した。患者側での撮影には、スマートフォンのカメラ機能を利用したシステムを開発した。 実用実験では、2017年7月~2018年1月の6か月間にわたって、今回の開発品を実装した遠隔診療実験を実施した。対象患者は福島県の高齢者施設(ケアハウス)に居住する、69~89歳の男性3名と女性5名の計8名で、いずれも状態の落ち着いている慢性疾患(高血圧5名、糖尿病3名、リウマチ性多発筋痛症2名、ほか)患者であった。対象者には実験に先立って各測定器が配布され、毎日の血圧、脈拍、体温、体重、歩数の各測定データは、ケアハウスの職員によって、定期的に外部サーバへアップロードされた。そして、月1回、東京のクリニックと、福島県のケアハウスにある診察室を結んだ遠隔診察を実施した。また、実験開始時と終了時に遠隔診療を行う医師が現地に赴いて、遠隔診察時の所見と比較する目的で対面診察も行った。 対象患者ごとに特有なプロブレムリストを遠隔診察セッション開始時に診療支援ソフトに予めインストールしておくことで、診察時の医師の記録業務は効率化された。また、モニタリングデータのグラフ表示も、表示期間の選択肢の増加や複数種のデータの並行表示により、各種データ間の関連や時系列変化を読み取ることが容易になった。一方、スマートフォンのカメラによる患部の観察は、光源が白っぽいため、色調の変化や立体感を向上させるには不十分であり、今後の課題となった。
|