2016 Fiscal Year Research-status Report
診療ガイドラインのシステマティックレビューための効果的文献検索方法
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15K08858
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小島原 典子 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (50226867)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | システマティックレビュー / 文献検索データベース / 診療ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
1.出版されている質の高い診療ガイドライン(CPG)における文献検索式の再現率、適合率の評価 NICE-CG188: Gallstone disease: diagnosis and management (胆石症ガイダンス, 2014.10発行)の治療介入のレビュー・クエスチョン(Review Question: RQ)のうちRCTフィルターが用いられているなかから、2つの検索式を再実行した。選択文献がどのDBから採用されたのか、そしてそのNumber Needed to Read:NNRを算出し、採用文献はいずれも3DBで検索可能であったが記載された検索式ではヒットしていない文献があることが確認された。記載された検索式は100行にも及ぶ長い構成だが、このように複雑で長い検索式を作成して膨大な文献を集めても、スクリーニングのために全ての文献を収集するには、時間もコストもかかる。膨大な検索結果を統合した後にスクリーニングの段階へ移行するのではなく、少数の適合文献をもとに検索語をピックアップして検索式をたて、文献を追加しながらスクリーニングを繰り返す検索方法を効率性の観点から今後検討する予定である。(TMLA2016,Taiwanにてポスター発表) 2.文献検索式の評価 システマティック・レビュー検索式 査読のためのガイドライン:PRESS Peer Review of Electronic Search Strategiesの翻訳と公表を行った。(医学図書館2017、in press) 3.システマティックレビューのための文献検索アシストツールの開発 客観的・効率的な検索式の作成、検索依頼者と検索実施者を支援するためのツールの開発・検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.出版されている質の高い診療ガイドライン(CPG)における文献検索式の再現率、適合率の評価は、NICEの胆石診療ガイドラインを例として検証を行い、TMLAにてポスター発表を行った。2017年度に論文が公表される予定で、おおむね順調に進んでいる。 2.システマティックレビューの文献検索式の評価のための国際標準的な資料として、PRESS2015の翻訳を行った。2017年度に論文が公表される予定で、おおむね順調に進んでいる。 3.PubMed検索で得られた文献集合をXLM形式でダウンロードしたファイルで単語の頻度を解析するため、R用のスクリプトを作成した。解析結果は文献集合あたりの出現回数、文献あたりの出現回数、文献集合におけるその単語を含む文献の出現率、さらに標的文献サンプルと対照文献サンプルでの文献あたりの出現回数の比についてCSVファイルとして出力する。さらに、標的文献サンプルでの文献集合におけるその単語を含む文献の出現率が1.0の単語について、文献あたりの出現回数と対照文献サンプルとの出現回数の比でソーティングした出現頻度一覧を作成した。これに基づき、単語をチェックボックスで選択するだけで、検索式を作成し、PubMed検索が可能なHTMLファイルを作成し、一つのクリニカルクエスチョンを対象に試用したところ、読むべき文献数が約3分の1ですべての標的文献を選定可能であった。単語頻度解析は文献検索の効率化に有効であることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
1.2.については終了した 3.客観的・効率的な検索式の作成、検索依頼者と検索実施者を支援するためのツールの開発・検証を継続して進め、文献検索アシストツールの完成後、ウェブページの公開を予定している。公開にあわせて操作方法を解説するビデオを作成し普及に努める予定である。 また、最終年度となる次年度は介入研究以外の文献検索、たとえば、副作用、費用対効果分析についても、我が国の診療ガイドラインのための文献検索の基礎的な方法を提案する予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度の予算で足りなくなってしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度分が使用可能になり次第、支出。
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Research Products
(4 results)