2015 Fiscal Year Research-status Report
多剤併用に伴う製剤的物性変化と薬剤の適正使用に関する研究
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15K08861
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
飯村 菜穂子 新潟薬科大学, 薬学部, 准教授 (00232140)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多剤併用 / 高齢者医療 / 製剤物性 / 薬剤適正使用 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会の進展に伴い眼疾患の疫学像にも変化が見られ、緑内障とドライアイを合併発症する患者数は増大している。現在この治療には点眼剤を複数併用する方法が用いられている。点眼剤併用時、それらの薬物相互作用、薬剤物性の変化等については未だ十分に検討されているわけではなくそれらのことが服薬指導に反映されていないのが現状である。ことから多剤併用療法の障害を解消するため本研究を進めた。平成27年度は加齢性眼疾患の代表ともいえる緑内障及びドライアイに焦点をあて研究を進めた。比較的処方例として多く見られる(医療従事者の協力を得た)プロスタグランジン製剤のキサラタン点眼液、ルミガン点眼液(緑内障治療薬)とヒアルロン酸製剤のヒアロンサン点眼液、ティアバランス点眼液、ヒアレイン点眼液(ドライアイ治療薬)を対象に両者を併用することによる製剤物性変化及び薬物の作用効率等について物質のぬれに関連する指標でもある表面張力測定と薬剤持続性に深く関わると考えられる粘度測定を実施することで調べた。また本実験では先発品、後発品の違いについても合わせて検討を行った。その結果、緑内障治療薬と組み合わせるヒアルロン酸製剤種が異なることで薬剤の物性に変化をもたらすことがわかった。また組み合わせる点眼剤の混合順、比率を変化させることは物性に影響を与えることが分かった。点眼剤併用時は最適な薬剤の組み合わせが考慮され、予測される物性変化に基づいた根拠ある服薬指導がなされることがコンプライアンス、アドヒアランスの向上に重要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、申請書に記載した計画通りに進んでおり、また結果も出ている。その結果を計画実施年度(平成27年度)において学会発表まで行っており、進め方としては良好と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
多剤併用治療において点眼剤以外で良く見られる例に皮膚外用剤の使用がある。申請時の計画において平成28年度の研究計画はそれらについて検討する予定であり、その計画に沿って進める。
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Causes of Carryover |
平成27年度の実験は順調に進んだため、当初の予算を少し抑えて実施することができた。平成28年度の研究も平成27年度に引き続き、順調かつ計画通りに、また再現性等を十分にとりながら成果を出したいと考えており、平成28年度が少々薬剤、試薬等かかると思われることから次年度(平成28年度)に使用させて頂きたいと考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に薬剤購入代、及び測定装置周辺充実のための消耗品、付属品等の購入を行う。
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Research Products
(1 results)