2015 Fiscal Year Research-status Report
アルコールによるsCD14関連自然免疫破綻のオーミクス:飲酒者の感染死を予防する
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15K08871
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片田 竜一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00423757)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アルコール / プレセプシン / 敗血症 / 浮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症は主に感染症によって生じる全身炎症反応症候群であり、重篤であることから、早期の診断、治療を要する病態である。臨床現場において、敗血症診断の補助としてPresepsinが敗血症マーカーとして利用されている。Presepsinは2000年代に入って報告されはじめた、plasma中に存在する13kDaのポリペプチドである。白血球・マクロファージ系細胞に存在するLPS-LPS binding protein (LPS-LBP) complexesのレセプターであるCD14の2つのisoformのうち、soluble CD14 (sCD14)が分解されて生じたsCD14 subtypeがPresepsinである。敗血症例においてPresepsinが有意に上昇することがわかっているが、法医解剖における有用性についての報告はいまだ少ない。初年度は法医解剖事例において血中Presepsinに着目し、法医診断に有用であるかを検討した。剖検中に採取した血液を移動式免疫発光測定装置パスファーストを用いて、1ステップ化学発光酵素免疫測定法に従って検出した。CRP等の生化学的検査については臨床化学分析装置富士ドライケム7000を用いてドライケミストリー法に従い検出した.健常者の平均値は182 pg/mLで、臨床におけるカットオフ値は500 pg/mLである.プレセプシンの平均値は約2000 pg/mLであり、臨床の値よりも高値であった。組織学的に諸臓器に感染が認められた事例においては、プレセプシンとCRPに相関関係が認められた。またプレセプシンが高く、CRPが低い事例では外傷死が多かった。外傷にて入院後死亡した事例については著明に高値を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初代培養アストロサイト以外の心筋細胞や株化細胞の培養条件の確立が難航した。
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Strategy for Future Research Activity |
アストロサイトをはじめ、その他の心筋細胞、肝細胞、株化細胞におけるsCD14発現の動向を把握し、それらの阻害効果を検討した上で機序の解明を進めていく。
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