2016 Fiscal Year Research-status Report
アルコールによるsCD14関連自然免疫破綻のオーミクス:飲酒者の感染死を予防する
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15K08871
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片田 竜一 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00423757)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アルコール / プレセプシン / 敗血症 / 浮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床において敗血症診断の補助としてプレセプシンが敗血症マーカーとして利用されている。しかしながら、法医解剖における有用性についての報告はいまだ少ない。本年度は、死因及びその他の生化学データとの関連性について新たな知見を得た。法医解剖事例(n=333)において、血液でプレセプシン及びCRP(C reactive protein)が測定できた事例を対象とした。解剖中に採取した大腿静脈血(採取できない場合は心臓血)を移動式免疫発光測定装置パスファースト(LSIメディエンス)で1ステップ化学発光酵素免疫測定法により検出した。プレセプシンの平均値は2126 pg/mLであり、中央値は1220 pg/mL、最大値は20000 pg/mL、最小値は66.8 pg/mLであった。CRPの平均値は1.89 mg/dLであり、中央値は0.5 mg/dL、最大値は7.0 mg/dL、最小値0.3 mg/dLであった。いずれの平均値も臨床の基準値よりも高値であった。死因とプレセプシンとの関係においては、溺水、窒息事例や多発外傷及び失血などの損傷死では低く、頭部外傷及び感染事例では高値であった。入院後死亡事例では、入院後2週間で死亡した事例で最も高くなる傾向があった。死後経過時間とプレセプシンとでは有意な差は認めなかった。このことから、プレセプシンは死因の判定に有用であり、入院後死亡事例においては、入院日数のある程度の推定にも有用であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験室整備及び心筋細胞、大動脈平滑筋細胞、大動脈内皮細胞の培養条件の確立が難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
実験室整備及び細胞培養の条件を確立する。心筋及び大動脈関連細胞におけるsCD14発現の動向を把握し、それらの阻害効果を検討した上で機序の解明を進めていく。国際学会での発表はもちろんのこと、論文発表も積極的に行っていく予定である。
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