2017 Fiscal Year Annual Research Report
Omics of sCD14 related innate immune system disturbance due to ethanol
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15K08871
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片田 竜一 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (00423757)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アルコール / 敗血症 / プレセプシン / sCD14 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床において敗血症診断の補助としてプレセプシンが敗血症マーカーとして利用されている。しかしながら、法医解剖における有用性についての報告はいまだ少ない。本研究では、死因及びその他の生化学データとの関連性について新たな知見を得た。法医解剖事例において、血液でプレセプシン及びCRP(C reactive protein)が測定できた事例を対象とした。解剖中に採取した大腿静脈血(採取できない場合は心臓血)を移動式免疫発光測定装置パスファースト(LSIメディエンス)で1ステップ化学発光酵素免疫測定法により検出した。プレセプシンの平均値は臨床の基準値よりも高値であった。死因とプレセプシンとの関係においては、溺水、窒息事例や多発外傷及び失血などの損傷死では低く、頭部外傷及び感染事例では高値であった。入院後死亡事例では、入院後2週間で死亡した事例で最も高くなる傾向があった。死後経過時間とプレセプシンとでは有意な差は認めなかった。このことから、プレセプシンは死因の判定に有用であり、入院後死亡事例においては、入院日数のある程度の推定にも有用であることが示された。アルコールとプレセプシンとの関連については敗血症及び感染症事例における血中アルコール濃度高値の事例がほとんど無く、関連性については判断できなかった。これは、アルコール摂取後、死亡まで時間がかかる事例が多いためと考えられる。また実際の感染症検案事例において検討を行い、採取した感染巣組織からwhole genome sequenceを行い、新たな毒性菌種を同定して、死因診断の一助となる可能性を示した。実験の一部については実験室の環境整備に時間がかかった関係で、今後の検討課題とした。
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